The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

ドラマ『白い影』を見たよ

冗談抜きで100回ぐらい見てるんです。
『白い影』というこのドラマ。

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2001年冬クールですか、
もう20年前になるんですね。
私がドラマやテレビ好きになった
きっかけの番組なので、
やはり思い入れは強いです。

当時ものすごくハマってね、
原作である渡辺淳一氏の『無影燈』にも手を出そうとしたぐらいなんです。
ササッと立ち読みして、あまりのエロスさにそっ閉じして走って逃げたんですけど。懐かしいね。

そんなわけで、放送20周年記念に
さくっと感想でも残しておきたいなと思い、
重い太い腰を上げる運びとなりました。

このドラマ、初見だとひたすら
「直江先生かっけーな・・・」
に終始したんですよ。
リアルタイムでは、
視聴者のこちらも子供ですから、

「中居くんがカッコつけてる!」
「クールぶってる!」とか初回は思い、
ハラハラしながら見た記憶があります。

それぐらい直江先生はお笑いシーン一切なしで、寡黙でクールな、ミステリアスなキャラクターなんですよね。


でもね、大人になってから見返してみると、
「よくできた初回やこれ・・・」
と感心します。それぐらい素晴らしい導入。
無駄がまったくないんすよ!


直江先生に魅了されるのはもちろんなんですけど、
倫子や小橋先生、美樹子さんや
院長といった登場人物たちを無理なく登場させて、
自然にその人となりをストーリーに合わせて描写している。

当たり前のように思えるけど、
20年間ぐらいドラマ廃人こなしてきた
今見返すと、その巧みさに舌を巻くというか
「すごいなー」と思いながら見てしまいました。
何目線なんだよ。

ある意味ドラマに集中できてないんですけどね、これ。
まあもう100回ぐらい見てるから。
そこは仕方ない。
でも、本当にすごいなって思います。


出てる役者さんも皆良いんですよね。
中居くんは若干『踊る大捜査線』の室井さん入ってるけども
でも、初回で倫子の笑顔を見たときの表情とか、
行田病院で倫子と再会したときの表情とか、
絶妙だと思うんです。

個人的に、直江先生は倫子(の笑顔)に
一目惚れした説を提唱しているんですが、
その説の根拠が、上に挙げた2つのシーンでの
直江先生の表情なんですよね。
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倫子は覚えていないけど、
直江先生は覚えていた、ってのが
私には見ていて伝わりましたから。
そう受信しましたから。

冷たくて、でも優しい部分もあって、
どこか寂しそう、それを絶妙に表現できていたと思います。褒めすぎかな?(笑)

あっ、でも気になったのは、
コートだかスーツだかの肩パット
入れ過ぎなんじゃってこと。
バブルじゃねえんだぞ!2001年だぞ!21世紀やぞ!と見てて思いました。
どこ見とんねん。



で、何度も見て思うのが、
竹内結子このころから
めちゃんこ演技うめぇなってこと。

恋愛ドラマって、結局ヒロインが好きになれなければ応援できないし、感情移入することも難しいんですよ。
もしかしたら、ある意味、
直江先生より難しい役かもしれませんね。

倫子というヒロインを、直江先生と同じぐらい慎重に丁寧に細かく描いたスタッフもすごいけど、
若干二十歳で演じきった竹内結子っていう女優の力量もものすごい。
再見すればするほどそう思う。

当時は
「倫子かわいいな」「倫子頑張れっ」「うおおおおおお直江先生と倫子尊い・・・あと20回ぐらいはこの二人がただイチャこいてるだけの回が見たいんですけどお!」とか、
感想にも満たない叫びを
頭の中で爆発させてましたけど。
子供だったから。

それぐらい好きだったなーこの二人が。


倫子役の印象が強すぎるせいか、
薔薇のない花屋』とか『ストロベリーナイト』とか見ても「!!お前誰や!!!」
と1分ぐらい身構えてしまっていました。
なんやその反応。
ほんまに、ほんまにすまんと思ってる。

トーク番組とかで話しているのを見ると、
知ってる竹内結子なので、
単に綺麗になっただけ&演技の幅が広がっただけなんです。
なんか、本当にごめんな。


初回に限っては、小橋先生や美樹子さん、
高木さんや院長はまだそこまで深く掘り下げられてない、けどみーんな堅実で奥行きのある演技で、役者さんってすげえなと思いつつ、
やっぱり原作があると脚本も初回での種まきしやすいんかなと感じます。原作読んだことないけど。

あと上川さん、見た目全然変わってないけど一体どないなっとんねん。
リアルタイムで見ていたときは、
まさか上川さんがバラエティ出たり
アニメの声優したりするとは思わなかったよ。



『白い影』ってね、本当にコミカルなシーンがほぼない真面目な医療ドラマ、悲恋ドラマなんだけど、
当時の中居くんがシリアスドラマをやる、それ自体がエンタメだったと思うし、大きな見所だった。
その引きに、出ている役者さんの好演、音楽や映像の美しさ、巧みな脚本とドラマチックな演出が合わさって受けたんだと思います。


タイトルバックが、また秀逸だよね!!
何回も本編を見返すけど、
タイトルバックはどうしてもスキップすることができず、毎回見ちゃうもんなぁ。

それぐらい、美しい映像なんすよ。
松原弘志って人が監督なんですけど、
『青い鳥』『聖者の行進』『美しい人』などのタイトルバックを撮った方で、
どこか浮世離れした幻想的な世界観に定評があります。

そして、撮影担当が篠田昇さん。
岩井俊二監督との名コンビが有名で、
『love letter』『スワロウテイル』『リリイシュシュのすべて』『花とアリス
全部篠田さんが撮影してるんです。映画世界の中心で愛をさけぶも有名かな?

その二人がタッグ組んでるってんだから、
そりゃ、スキップできねぇよ。
毎回見ちゃうよ。仕方ない。

そのタイトルバックでかかる竹内まりやの主題歌『真夜中のナイチンゲール』も良いよなー!大好きなんだよなー!はあ。


もう何回も見てるから、
ネタにしながらおちゃらけた感想にしようと思っていたのに、
真面目な感じでダラダラと書いてしまったよ。