今回、初めて財前より里見先生の方に感情移入したかも。
林田さんのために、医者として最後まで向き合いたい、と
悩み続ける里見先生の苦悩がよく伝わったというか。
終電逃しても、鵜飼先生に嫌われても、
大河内教授に何度も相談して、林田さんのために何ができるのか、
ずっともがいていた里見先生が素敵だと思いました。
だから、財前が延命のためのオペを引き受けてもいい、と言った時の明るい表情がまぶしかったし、
その直後に「その代わりと言っちゃなんだが、大河内教授との仲とりもってくんねえ?」
とほざいた財前へ向けた里見先生の表情はものすごいものがありました。
なんだろうね、歓喜、からの失望が滲んできて
怒りと哀しみさえ感じるあの表情は。
見ていて自分もちょっと哀しくなったもん。
里見先生の気持ちよくわかったもん。
財前お前さあ!言い方ってもんがあるよね!?
とキレそうになったものな。
医者としての本分を忘れて、権力のために、いろんな思惑のもとに皆が争っている。
それは果たして、患者のためになることなのか…。
大切なことを忘れていないだろうか?
なんか、そんなことばっかり考えた。見てて。
東教授と東教授夫人が教授選について話している姿を見た小枝子が
「お父様もお母様もちっとも幸せそうじゃない。不幸だわ」と言ったのもよくわかる。
教授選考会で、鵜飼先生側と東教授側が
それぞれ自分たちに都合のいいように進めるために
遠回し遠回しに言論を詰めていくシーンも良かった。
何も言わずそれを聞いている大河内教授の表情が意味深というかね。
きっと、昔から幾度となく繰り返されてきた光景なんだろう。
公正なんてものはなく、皆が皆、自分の利益のことだけを考えている。
きっと彼は、そんな大学病院の在り方を
いつか変えたいと思っていたのかもしれませんね。
それにしても、選考委員候補の投票の結果、
大河内教授15票←!?
鵜飼先生6票
東教授3票
って、大河内教授めっちゃ人望あるやん(笑)
林田さんは、鵜飼先生や竹内からそれとなく転院するように言われ
里見先生の立場のことも慮って、浪速大学附属病院から退院してしまいました。
里見先生が、林田さんのために何かをしたいと思う気持ちは、
結果的に林田さんが里見先生の立場を思って苦しみ、
林田さん自身に辛い結論を出させることになってしまった。
バス停でのお別れのシーンは、泣けちまったい。
『白い巨塔』は、何が正しく、何が正しくないのかわかんなくなるね。。
確か前回、大河内教授も
「それは正論だが、大学病院というものは、正論に傾きすぎているところもあろう。」
って言ってましたよね。
正論が正しいとは限らない。医療に答えなどない…。ふ、ふかい。
なんか考え出すと止まんなくなるなあ。