The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

白い巨塔 4話

今回は、人間の醜さと小ささがよく感じられた回でした。
財前も、東教授も、東夫人も、ヌーも…。


そんななかで、医者としての本分を見失うまいともがく
里見先生と金井先生(奥田達士さん)に好感を持ったね。


金井先生、決して財前先生に媚びずに
自分の思ったことを率直に進言する姿が素晴らしかった。

財前先生は、こういう人を大切にするべきなんですよ…。佃とかじゃなくて…。

 


しょっぱなから、若かりし頃の木村多江さんが出てきて、
またまたテンションが上がりました。

 

こんなころから出てたんやなあ…と思ったけどよく考えたら
反町隆史版『GTO』にも出とったわ。忘れてた。

ドラマ版貞子でもあったわ。


そんな木村多江さん演じる林田さん、製薬会社の営業として仕事一筋で生きてきて、その結果が浪速大病院内で倒れて全身転移の末期がんとは…。


この時点で、見ているワタクシはウッッとなりました。

 

これ…財前と重なるやん…

全身転移…手の施しようがない…ウウッ


と、脳裏で本作の終盤の様々な場面がよぎりました。


なにせ、後半はばっちし見ていましたから。

 

そういうわけで、林田さんと財前を重ねて見るもんだから、
治る見込みのない林田さんに関して
財前が「僕ができることは何もない」と言ったことも、
里見先生が「患者のために何ができるか考えるべきじゃないのか!」と反論したことも、
すべてがあの展開につながってくるんだなあ…と、
今さら山崎豊子の筆力に尊敬の念を抱いてしまいます。

プロットきっちり端から端まで詰めまくってたんやなあ。すごいなあ。


大学病院の優秀な設備は治る患者のために使われるためのもので
死にゆく患者のためにベッドをあける余裕はない。


理屈としてはそうなんだけどさ…

間違っちゃいないんだけどさ…

 

でも、それが後々自分にかえってくるんだよ財前…

と、見ていてなんか切なくなった。
(もっとも財前に関しては林田さんと逆で、穏やかな最期をよそで迎えることはできない。大学病院の人間は大学病院でしか死ねないという別の苦しみがあるのですが)


林田さんに対しても財前に対しても、
鵜飼先生や里見先生の対応はブレてないんですよね。
そこに感嘆しました。


権力を持っている特診患者のオペでまさかのアクシデントが起こり
財前が窮地にたたされるんですけど、

結果として、財前の適切な処置と判断のおかげでその特診患者は助かって、
その瞬間に舌打ちする東教授が怖かったあ。めっちゃ音鳴ってたで舌打ち。

そら金井先生もヒイッって顔するわな。

 

それ以前から東教授はそのオペをじっと見ていたのですが
もう、「なんか失敗しろ」みたいな雰囲気が滲み出てた。

隠しきれていなかったよ東先生!

全く、里見先生じゃねえけど、

医者って何なんだろうなと思わされるね。


そうそう、東夫人もまた、

くれない会の会長選挙で
副会長の座をおろされて憤慨。

 

夫の東教授にその怒りと自分の考えをぶつける場面があるんですが、
そのシーンの高畑さんが圧巻だった。

よどみなく詰まりなく、

立て板に水のごとくとはまさにこのこと。

 

『立て板に水』ってどんな意味?って子供に聞かれたときは、

全国の教師の方々、このシーンを見せましょう。


ただ、あんな大声で

菊川さん(沢村一樹さん)が教授としても後継者としても貴方にふさわしい、小枝子の結婚相手としても!

とかペラペラ言ってたら、普通に小枝子(矢田ちゃん)に丸聞こえですよね。
もしかして聞こえるように言っているのか…?

 

そんなこんなで、オペを終えた財前と

東教授が後任にしようとしている菊川先生が対面してしまうラスト。

 

しゅ、修羅場きたというかスーツ姿の沢村さん超かっけえ

 

財前は菊川さんを見て表情を硬化させ

どなたですか?

とすごむ始末。あれは間違いなくすごんでた。顔怖かったもん。声も。


財前も東教授も、双方が双方とも
本格的に対立を隠さなくなりそうというか本格的に喧嘩腰になってきたなあ。

 

 

まぁそれが面白いんですけどね。

それでこそ面白いんですけどね。

次回も楽しみです。

楽しくなってきた