The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

ドラマ『白い影』を見たよ6

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いやー神回でしたね。
6話はとっっても秀逸な出来だったと思います。
これが最終回でいいだろ最終回でー!


何かいろんな感情があふれてくる回だったなあ。
直江先生と倫子がようやく結ばれて歓喜する気持ちももちろんあるし、
石倉さんの衰弱に胸が苦しくなったし、
拒絶された美樹子の気持ちを考えるとこれまた胸が苦しくなるし。
登場人物たちの心が、言葉にせずとも表情でひしひしと伝わってくるからかな。


6話は、もちろん出演者全員素晴らしかったんですけど、
やはり石倉さんを演じるいかりや長介さんと
七瀬先生を演じる山本學さんの熱演が
特筆すべきところかと思います。

ついに石倉さんの衰弱が始まって、それは本人も薄々感づいていて、かつて倫子が持ってきた、
窓際に置かれたタンポポをじっと見てるんですよね。
その時の演技がすごかった。
枯れかけたタンポポを、一体石倉さんはどんな思いで見ていたのか。
それを考えると、胸の奥の方がウッとなりました。

そして、夜中に痰が詰まって呼吸困難を起こしたときの鬼の形相もすごかった。
瞳だけで、必死に生きようとしているのが伝わったもんね。


だから、倫子が慌てて吸引器を
ナースステーションから出そうとして
焦ってるシーンが映えるし、
そこに颯爽と現れる直江先生が、
まさにヒーローみたいに見えたんだよね。
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(あまりにもその姿がかっこよすぎて
おれっちちょっと笑ってしまった)

直江先生と小橋先生が、倫子や高木さんとともに石倉さんの痰を取り除こうとするシーンは
あまりにも迫真過ぎて、なんかドキュメンタリーを見ているようでした。

その後の直江先生と石倉さんが
病室で二人きりのシーンも良かった。
はっきり言って、石倉さん何言おうとしていたのかほとんど聞き取れなかった。
怖かった…てのはかろうじて聞き取れたけど。
でも、直江先生は石倉さんの気持ちは誰よりも分かっている。言葉なんていらない。
言葉なんていらねえんだよ!

「大丈夫ですよ。大丈夫」

その言葉だけで、それを直江先生が言うだけで心は休まる。
涙を流しながら眠りにつく石倉さんに、
見ているこっちが泣けたわあ。
(きっと、目をつぶるとそのまま永遠の眠りにつくのかも、死んでしまうかもしれない自分の身体が怖くて怖くてたまらなかったのでしょうね)

翌朝、枯れかけのタンポポを見つめながら
「俺はまだ、枯れないよ」と呟く姿も泣けてさあ。
そりゃ倫子も休日返上で
タンポポ探しに行くよなと。
わたしゃそう思ったね。


そして、直江先生の恩師・七瀬先生。
優秀で厳しくて真面目で、優しい人柄で穏やかで…。
直江先生が唯一心を許している人なんですけど、
山本さんはこの役にぴったりでしたね。
里見先生だもんね、山本學さん。


七瀬先生の出番はそんなに多くないんです。
若き日の二人の回想シーンも全く無い。
それなのに、二人の信頼関係と七瀬先生の人となりが十分伝わってくるのは、
ひとえに山本學さんの巧みな演技力の賜物だと思います。

夜行バス乗り場での七瀬先生と直江先生の別れのシーンは、見ていて泣いちった。
握手した手を離さずに
「本当はこのままお前を長野につれて帰りたいよ!」と直江先生に訴えかけるところとか、
「自分を独りぼっちだとか思うなよ!」と伝えるところとか、
なんか、すげー良かった(語彙力不足)

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その後ボートに乗って川をずっと漂う
直江先生の切なさよ。
石倉さんの件と恩師からの必死の訴えに、自分の生き方について改めて考え込んで、答えは出なくて、無になりたかったんだろうなと、私はそう捉えました。
まっさらな気持ちになったからこそ、
少女のように駆ける倫子の姿を見て、彼女の気持ちに応えようと、いや、違うか、
自分の気持ちに素直になれたんだろうな。
(へこたれねぇ倫子の強さにも惹かれてたんかな)


タンポポの咲く土手で、
二人の思いが一つになるシーン、
一連の流れがとにかく良かった。

白い鳥が羽ばたき、倫子が
川の上でボートに乗っている直江先生の姿を見つけてパァッと笑顔になる瞬間も、直江先生がそれを受けて、ボートを漕いで土手の方に向かうときの主題歌の挿入も、
愛おしそうに倫子を抱きしめる直江先生も、
一瞬困惑しながらも、みるみるうちに目を潤ませながら直江先生の肩に体をあずけ、ぎゅっと抱きしめる倫子も、
なんか、すげー良かった(語彙力)


もうさ、6話で最終回でいいじゃん。
晴れて直江先生と倫子が結ばれてハッピーエンド。末永く幸せに暮らしました。
めでたしめでたし。
それでいいじゃん。
だめ?だめなんだろうなぁ…。


祝ハッピーエンド!な流れだけど
いろんな火種も投下されてたんだよな。
院長が直江先生の身辺調査を開始したり、
突然の関係の終わりに納得できない美樹子が倫子を敵視したり、
同じく小夜子はフロノスを投与されている七瀬という患者のカルテを見ようとしたり。
もうさぁ、やっと直江先生と倫子が結ばれたんだからそっとしといてよ、頼むよ!
(まあ直江先生が自分で撒いた種なんだけど)


あと、直江先生がレントゲン写真を
部屋中にばらまいて、そこに横たわるシーンがあったんですけど、
あれあとで片付けるの大変だなぁとか、
そんなどうでもいいことも思ったのでした。