The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

ドラマ『白い影』を見たよ2

思いのほか初回に見入ってしまったんで、まさかの各話感想。

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いやあ、2話も見どころ多いよ。
うぇーい!ととてもおちょくれないんよ。
ほんまよくできてる、すごくね?

もっと評価されてもいいドラマじゃないか?
人物描写にスキがねぇんよ!
直江先生と倫子はもちろん、
2話は小橋先生や美樹子さん、石倉さん、それから倫子母の掘り下げが秀逸だったと思います。

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小橋先生は直江先生のライバルポジションで、
ダークヒーローみたいな
現実主義者の直江先生とは対を成す
聖人みたいなキャラクターなんだけど、
こういうキャラって、嘘くさく見えたりするんですよ、たまに。
でもね、小橋先生は全くそう見えないんですよ。

これは、上川隆也さんっていう俳優さんが持っている性質というか、力量なんだろうなと思います。
説得力があるよね。

大地の子』とか『白い巨塔』とかしか見たことないけど、
こういう実直な役本当に上手いよな。


個人的に、直江先生と小橋先生のやり取りもすごく好きなんです。
真っ直ぐすぎるぐらい真っ直ぐに
医療や患者に向き合う小橋先生と、
現実重視だけど同じぐらい
医療に対して自分の命を捧げる直江先生。

二人とも本当に真面目に議論でぶつかり合うけど、協力もし合うようになる。

『白い影』が単なる悲恋ドラマに終わらなかったのは、
医療ドラマとしても見所があったからだと思います。
医療ドラマ部分の多くを担っているのが小橋先生と直江先生の考え方の相違と対立、
でもどちらも間違っていないという深みなので、
そういった意味では、上川隆也さんの貢献度も計り知れません。

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美樹子っていうキャラクターも、
何回も見返すとものすごく感情移入できます。

正直、初見では「こいつ嫌い!」「直江先生と倫子の事邪魔するな!」とか
見ながら思っていたんですけどね。
当時子供だったから。子供だったから!(強調)

でも、じっくり見ていたら、悲しい役なんです。美樹子は頭がいいから、状況や雰囲気の察知も速い。
自分が心から愛している人は、
自分のことを愛していないことも分かっちゃう。

しかも、その直江先生は今後倫子のことを深く愛するようになりますから、辛いよね。
しかもしかも。直江先生、製薬会社の営業の小夜子も連れ込んでるからね。薬のためにね。
とんでもねぇ野郎だ!

それを電話越しで悟ってショックなのに、ショックをうけていない風に振る舞う美紀子が切ないのです。
原沙知絵さんって、派手さはないけど演技上手いよなぁ。

何かもうみんなに演技上手い演技上手い言ってる気がするけど。
それぐらい、出ている人たちみんなが役にハマっていたんでしょうね。


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あと、2話はなんと言っても石倉さん。
いかりやの長さんが志村さん志村さんって言ってるとなんかムズムズするぞ!!

石倉さんに嘘のオペをするのが
正しいのか否かが2話の主なテーマなんですけど、
嘘のオペをしてだましても、
何も解決しない、いずれ嘘に気づいたときの石倉さんに思いを馳せる小橋先生。
正しいです。とても正しいんです。

でも、直江先生の
「嘘のオペをすることで病状が一時的に回復する。未来への希望を持つこともできる」
という主張も一理あるんですよね。

そんな直江先生の考え方が
当初は理解できなかった倫子の心を動かしたのが
倫子の母・清美さん。(関係ないけど前クール『やまとなでしこ』では堤真一の母親役やって、『白い影』では竹内結子の母親役とは、幅広すぎないか市毛良枝!!)

離婚の原因は倫子の父に女ができたから、
でも実は言われる前からずっと気づいていたのに、気づいていないふりをしていた、
倫子の父親も、感づかれていたことを悟っていたけど、
お互い嘘をつき続けていた、と。

すべての嘘が不幸とは限らない。
嘘で救われることもある。
これって『白い影』全体のテーマじゃないかなと思っていて、
直江先生は石倉さんにかつての自分を重ねてて、
嘘をつくことで死と向き合う(直江先生も現在進行形で味わっているよね)を与えないように心を砕いているんだと、再見だと分かるわけです。
深いドラマなんですよ『白い影』は!(誰に叫んでんだ)

だから、嘘のオペ(開腹だけ)を終了したあと、
石倉さんを見つめる直江先生の瞳は、
医者のそれではなくて、
かつての自分を見つめるようでした。

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そこに倫子が(看護婦として)そっと寄り添ってくれたこと、自分の考えを理解してくれたことは、
直江先生にとってはものすごく嬉しかったと思う。


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石倉さんのために一生懸命たんぽぽを探している倫子を見つけたとき、
内心川原に向かって
「くそーーーーかわいいなーーーっ!!」
と叫びたかったと思う。

分かってる分かってる。
私には分かっているぞ直江。
倫子の笑顔大好きなのバレてるぞ直江。


はーなんつーかさー、直江先生と倫子の心が近づく過程が本当に丁寧っていうか
(まあ直江先生は倫子に実は一目惚れしてました説を提唱してるけど)
医療ドラマとラブストーリーが
相乗効果でどっちともいい感じになっているというか、
私の乏しい語彙力では、うまく言い表わせませんね。
何度も見てるから、思い入れあって補正かかっているのかな?初見だとそう感じないのかな?
こればっかりは、初見の立場に戻れませんから分かりません。
ただただ真面目で美しいドラマですなぁ。

上手くまとめきれない2話感想でした。