The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

めっちゃ早口で言う『白線流し』の感想

白線流しは、1996年冬クールに放送された連続テレビドラマです。

 

TVerで配信されてたし、
このころの長瀬かっこいいし、
スピッツも好きだし、
初回ぐらいは見てみよう!

 

ぐらいの軽い気持ちで見始めたんですけど…

 

 

なんか、なんか、思ってたよりもずっと

すげえ良いドラマだったんで…

 

今まで見ようとさえしてこなかった自分に、
怒りすらわきました。

 

 

オイッ!!!

今まで何してたんや

お前はっ!!

 

神ドラマやんけ!

なぜ今までスルーし続けた!?

なんで!なんでなん!?

28年間も!!

28年やで、28年!!!

おばかおばかおばか!!

 

 

 

みたいなね。

 

全話完走したあと、

様々な自己罵倒の言葉が

脳裏に浮かんできましたよ。

それぐらい、今まで見なかったことを

激しく後悔したドラマだったのです。

 

というわけで、全話完走したので、
感想は残しておかなきゃ意味がないと
思い至りました。

 

 

 

ドラマ『白線流し』の

ここが素晴らしい!


1.脚本・演出・音楽がすごい!
まず賞賛しなきゃいけないのは、
なんつったってスタッフよな。うん。

 

脚本、演出、音楽。
全部、ぜーーんぶ良かったもの。

なかでも、一番すごいと思ったのは、演出。

ドラマチックにし過ぎない、
あくまで高校卒業を控えた仲間たちの日常を
長野県松本市の美しい風景と四季をバックに
丁寧に切り取ったような、まるでドキュメンタリーのような雰囲気。

かと思えば、4話のラストみたいなドラマチックな演出もあったりして、
とてもメリハリがあるのです!

 

このシーンとか神やろ。

何かしたいけど何をしたらいいのかわからないまま

時間だけ重ねていた園子が、

『あの人と話がしたい』という自分の欲求に従い、

初めて素直に行動した場面なんだから。

 

このがむしゃらさ、瑞々しさ、美しさ、

全てが名シーンなんです。

 

もう、とにかく全編を通して

映像が美しくて、演出が細やかだった。


10代の多感な時期の男女7人の心の揺らぎと成長を丁寧に丁寧に描いていて、

その仕事ぶりには非常に感服しました。

 

演出は誰やっ!って
思わずググっちゃったもんね。

木村達昭氏は、
あすなろ白書』『若者のすべて

ビーチボーイズ』『バージンロード』などなど。
岩本仁志氏は、
夏子の酒』『君といた夏など。

 

 

…なるほど。

多分メイン演出は木村氏だと思うけど、
若者の心の揺らぎと日常を演出するのに長けてるぽい。


岩本氏が担当された別の作品
夏子の酒もまた、1年を通して

描かれたテレビドラマらしいし…。

(要確認ドラマやね。和久井映見さん主演やけん)

1クールドラマというのは、

通常3ヶ月前後ぐらいの

撮影期間だと思うんですが、

このドラマは半年かけてほぼロケで

撮影してるんですよね。

ロケハンも相当気合を入れたのでしょう、

 

メインは若き7人の青春物語、

よくぞここまで

演出と映像にこだわったなと!

みんながみんな美しくて、
風景や四季の移り変わりも素晴らしくて!

こういうのが本当の本当に

力入れてるっていうんだよなー!

もちろん金もかけてるのだろうけど、
時間や手間暇相当かかってんじゃないかな?どうかな?

しかもメイン7人は、当時はそこまで有名な俳優女優さんではなかったと思うんです。

 

もちろん脇には山本圭さんや平泉成さんや余貴美子さんなどが手堅くいるのですが、あくまでそれは、まだ幼い子どもたちを見守る大人たち。

7人のキャラを立たせて、

演技指導もやって…

相当のものだと思いました。

 

そして、音楽です。
スピッツ空も飛べるはず
起用した時点で大勝利確定なんですけど
(オープニング、結局全話飛ばせんやったよ!!!全部聞いちった)


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岩代太郎氏の音楽も
すっっっっっごく良かった!!
すっっっっっっっっっっっごく!!!

岩代氏といえば私の中では
圧倒的に『あぐり』のイメージなんですが、
(『あぐり』もめっちゃ音楽良かった…「素晴らしき日々へ」なんて朝ドラ史上最高のOP曲やろと確信するぐらいに)

白線流し』の曲もいい!
おそらくメインテーマであろう「My own life」、聞いてるだけで涙が出てきます。


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この曲を聞いていると、
ドラマの名場面はもちろんのこと、
白線流しという作品を通じて

目にし耳にした当時の長野県松本市の風景やそこに住む人々、そして川の音や、雪の中を歩く音、踏切の音、虫たちの声など、

季節と生命の音が思い出されるのです。

 

本当にすごい曲。
この曲の他にも、全体的に白線流し
神がかり的なOSTなんすけど。

 

個人的に、私は

演出と映像と音の良さを

より高いクオリティで求めていて

 

脚本に書かれている

セリフやト書きだけでは表現しきれない

キャラクターの心情とか、

表情の微妙な変化とか、

それを細やかに演出や音で描写されてると、

より鳥肌が立つんです。

(何でもかんでもセリフで説明しなくてもいいんすよ、なんのための映像作品だっ)

 

 

そして、脚本。

脚本も良かったんです、もちろん。
後半は記憶喪失だの不正融資による逮捕だの

事件に次ぐ事件で『オイオイ金八か?』感は

否めなかったけど、


メインの園子には特に大事件は起こらず
(騙されて酒飲まされたのにろくに酔いもしなかったのにはびっくりした)
自分が何をしたいのか、
何ができるのか分からない悩み、
周りの友達がどんどん先に進んでいくことへの焦り。
それがメインで描かれていました。

 

どれも大人になって振り返れば
大したことないことなんだけど、
高校3年生の園子には
すべてが大きな考え事で。

そういった園子の平凡さと
何もしないできない自分の
無力さへの苛立ちとか、
そういう強さみたいなものが
とても印象的でした。

 

このドラマは、
園子が主役だから良かったんだと思います。
「背中、押してくれたろ。
お前がここまで連れてきてくれたんじゃないか。」
「いつかお前は、天文台
自分は太陽じゃないって言ったけど
俺は太陽だと思う。お前太陽みたいだよ。」

渉のこの言葉が全てなんだよな。

 

園子自身は気づいてなくても、
知らず知らずのうちに誰のために何かをしてて、

それこそが園子が出来ることで。

 

だからこそ、園子は最終的に
誰かの夢を応援できる、背中を押せる
「学校の先生になりたい」って夢を見つけた。

全日制の高校3年生の園子と、定時制に通う渉の

淡い恋から始まった話なんだけど、

まどか、冬美、長谷部くん、慎ちゃん、茅乃、
みんなの悩みや成長がきちんと描かれてて
この脚本すごいなってなりました。

 

2.出演者が瑞々しい!
とにかくメイン7人の皆が皆
役にハマりすぎてた!


本当に演技なの?ってぐらいリアルで、


はっとする表情もたくさんあって、


この7人じゃなきゃ、

別のドラマになってたと思います。

 

大河内渉(長瀬智也)
爆イケ。
いや、イケメンすぎるやろ。


とにかく立ってるだけで
圧倒的に絵になるやんけ。

まさかロン毛ゴリラに進化するなんて誰が想像したことか


何回一時停止して
その美しさと儚さに見とれたことか…。
長瀬、圧倒的やったわ。

これ、文化遺産時代の長瀬です。

 

でも声は幼くて、
「あ、まだ子供なんだな」と思いました。

 

そうなんよ、渉はまだ18歳、
複雑な家庭環境から大人にならなきゃいけなかった子供なんよな。

定時制に通ってはいるけど、
夢へのスタート地点に立つ勇気がなかった。
星が好きで、ひそかに机に星座を掘ったりなんかしてた。
(そんなに穴ボコにして大丈夫なのか…テストの時シャーペンや鉛筆の芯の部分がついブスッとなってテスト用紙の穴空いたりしないかとか考えた)
そのことが、後々同じ机を使う園子との出会いのきっかけになるのだけど。

 

園子と出会ってからの渉は素敵だったよ。
自分なんて、と不幸な境遇にやさぐれかけていたけど、

根っこの部分は優しくて、繊細で、人の痛みが分かる少年。

同じく星が好きな園子に惹かれて、
園子から「私、ずっと渉さんのこと見てます。応援してます」と言われたときの表情見た?


恋って良いよな…青春や…

渉にもやっと心休まる人が見つかったんや、と思えたね。

 

でも、優しい子だから、
自分以外には誰も頼る人のいない茅乃を

どうしても放っておけなくて。


かつて自分に冷たい態度を取っていた長谷部くんが落ち込んでいるときは、
園子たちと共に励ましたり。


一見明るい慎ちゃんが、

実は悩んでいたときは

彼に悩みを打ち明けられたり。


園子が落ち込んでいるときにも、
励ましてくれた。

なんつーか、ドラマを通して、
渉が自分の夢に向き合って、年相応の少年に戻る過程を見せられた気がするよ。

最終回で、渉が仲間たちと楽しそうにしているのを見たら自然に涙が出た。

園子とは、恋人というより親友みたいになってて、

お互いを応援する仲みたいになってね。

あの日、出会わなかったら。
いや、そもそも机に星座を掘らなかったら。
二人は出会わなくて、

 

渉はずっと閉ざされた世界で
夢を捨てきれないまま
苦しんで生きていたかもしれない。

 

夢は叶うかは分からない。
でも、夢に向き合って
行動するようになれたことこそが、
渉が大人に向かって成長した証なんだと思いました。

 

七倉園子(酒井美紀)
酒井美紀さんといえば
岩井俊二監督作の『Love letter』

1995年3月公開なので、
あの映画の評価が白線流しへの主演抜擢に繋がったと言ってもいいと思います。

 

あの映画の酒井美紀さんも
すげー良かったけど、
このドラマでも

ものすっっごく良かったぜ!

 

一見平凡で普通っぽいんだけど、
透明感があって、素朴で、スレてなくて
可憐で愛らしくて、芯が強い雰囲気ってのは

実は女優としてものすごく非凡で、
レアだと思うんです。

あざとさが見えないっていうのかな。
演技が演技に見えないんですよ。

 

このドラマでも、
演技が演技に見えなかった。

本気で悩んで、本気で怒って、
本気で泣いてた。

少なくとも自分にはそう見えた。

それは脚本や演出が良かったのもあるだろうけど、酒井美紀さんの資質によるところも大きかったと思う。

いやー、本当に可愛かったです。

可愛いだけでなくて、
未熟で、真面目で、頑固で、
優しくて、強い。

そんな園子だからこそ
渉の心の支えになったんだよな。


その一方、自分には夢や目標がない、自分は太陽なんかじゃない、情けないと渉と自分を比べて悩んだり
試験当日(合格したら渉の大学進学の学費を親に援助してもらえることになっていた)に妊婦を見かけて助けたことに対して
「私は逃げたんです」
自己嫌悪に陥るところとか、
自分に自信が無い感じとか、
とにかくリアルですごかった。

最終回でのみんなとの別れのシーン、

ボロボロと涙を流してるのなんか、

演技とは思えないぐらい迫真だったもんなあ。

まじで、園子は酒井美紀さん以外
ありえなかったと思いますね。

飯野まどか(京野ことみ)
とにかく口が軽く、失言癖があるまどか。
ドラマ的には、話を動かすのに
使いやすいトラブルメーカー(笑)


京野ことみさんの演技力で
根は悪い子じゃない、みたくなって
憎めないキャラになってました。
(いや、でもたまに「なんだ、この女?」とイラッとは来た)

慎ちゃんとの軽口のやり取りとか
リアルでしたねー。


つい、ひどいことを言って
相手を傷つけてしまう。
自分が悪いのに、なかなか謝れない。

作中でまどかが「ごめんね」
って言ったことありましたっけ?
なかった気がする。

 

それでも、仲間を思う気持ちは本物。

特に慎ちゃんのことは大好きで、
彼が雪崩に巻き込まれて意識不明になったときには

百度参りをやっちゃうぐらい優しい子。


慎ちゃんが記憶喪失になれば、
自分の大学推薦を取り消してくれ、
彼のそばにいたいから、
と泣いて担任の先生に頼み込むような子。

園子や長谷部くんや冬美にも
良かれと思ってお節介を焼くような、
そんな普通の女の子でした。

この普通さがね、
あーいるいるこんな子、って思ったんすよ。
どこにでも一人くらいは、
こんな子いるよなーと。


根は優しいのに、素直になれない子。

個人的には、スカウトしに来た人への
まどかの啖呵シーンが良かったですね。

 

 

 

長谷部優介(柏原崇)
爆イケなのに、そこはかとなく漂う陰キャ感。
カッシー、『Love letter』では
かっこよかったのに…。
と序盤は見ていて思いました。

 

園子と一緒にいたくて、
風邪をおして天文台ツアーに参加したり
(その結果渉と園子を近づけちゃう!miss!!)
園子が渉に書いたラブレターを
定時制の渉のクラスメートによって
掲示板に晒されたときは
渉に抗議しに行ったり
(その結果渉がラブレターの存在に気がついてしまう!miss!!)
園子のための行動でいじらしいけど、
結果を見たら、わざとやってんのかお前!とやきもきしてた。

そしたらさぁ、
茅乃を焚き付けて渉と園子を
間接的に引き裂こうとしたり、
渉のことを悪いように父親に愚痴ったり…。

こずるいな、何だこいつ?って(笑)

でも中盤以降は名誉挽回!

渉の工場に融資するよう
支店長の父に働きかけたり、
ホテトル嬢に落ちそうになった茅乃を助け出したり、
茅乃のために金をカンパしたりして。

茅乃が長谷部くんに懐くのも
当然の理なんだよなぁ。

 

終盤は、父親が逮捕されるわ、
カンニングの疑いをかけられるわで
メンタル満身創痍。

 

それでも、渉や園子達が
励ましてくれたおかげで立ち直って、
なんとかベストを尽くそうとする。

最初は敵対してた渉とも
すっかり打ち解けて仲間になってさ
(まあ茅乃とすっかり仲良くなってたからな…)

まどかと共に列車に乗って
みんなとお別れするシーンでの涙は、
本当に寂しそうだったよ。

思えば、ガリ勉時代の長谷部くんが
園子にあの夜キスをしなかったら、
渉と園子は出会わなかったんだよね?確か。

全ての物語の始まりが
長谷部くんと考えると、
トラブルメーカーがまどかなら
ストーリーメーカーは長谷部くんかもしれないね。(笑)

橘冬美(馬渕英俚可)
どこか大人びてて、

弱みを人に見せない冬美。
だけどその心の中には、

熱い夢が存在してた。

 

いつも冷静で、暴走しがちのまどかを諌めたり、園子を励ましたりと、
その姉御感はかっこよかったなあ。

 

でも、演劇部の後輩から拒絶されたり
劇団のオーディションの詐欺にあったり
スカウトは自分じゃ無くてまどか目当てだと気づいたりと、なかなかのハートブレイクな出来事があって…


それでもやけにならず、
当たり散らさず、気丈なんだよね。

そういうところが、
見てて泣けてくるのよ〜!

いつも一歩引いて物事を見てるけど、
やっぱり冬美も、18歳の多感な女の子なんだよね、

となんか親の気分になって見ちまったい。

冷めてるように見えて、
冬美もやっぱり友達思いなんだよね、

と思えるシーンが多々あって、

めっちゃええ子やんけ…

ええ子やんけ…

と何度つぶやいたことか。


個人的には、慎ちゃんと双璧での
白線流しメンバーのバランサーで、
非常に好感持てました。

富山慎司(中村竜)
慎ちゃんも、ほんまにええ子。
なんでまどかと付き合うことになったんだ

 

少しお調子乗りだけど、優しくて、
心が広くて、明るくて。

渉、長谷部くん、慎ちゃんのなかなら、
慎ちゃんが一番好きだわ(笑)

 

渉に金を盗まれた、と勘違いして
喧嘩になるも、自分が間違っていたと分かると
すぐに認識を改め、環境の違いなんか気にせずに話しかけるし、
渉が危ないと喧嘩に加勢するし、
長谷部くんが渉のことを悪く言ってると
長谷部くんに怒りを露わにするし

いや、本当にいい子!
こんないい子おる?!?

まどか!!お前もっと慎ちゃんのこと大切にしたらなバチ当たるで!

慎ちゃんも、冬美と同じく仲間には
ほんまもんの愚痴を言いません。

でも、渉にはこっそり打ち明けたりする。
もっと強くなりたいと。

それでなぜか受験時期に
登山行くのは謎だったけど(確か元登山部?で後輩たちがイキイキしてるのを見て、自分はこんなに一生懸命高校生活やってたかな?と思ったんだっけ)


当然のごとく遭難し、
戻ってきたはいいものの記憶喪失。

オイッ!

 

渉からバスケットボール投げつけられて
記憶を取り戻す展開はどうなんだ?

二人の思い出の場所に連れ回してまで、頑張ってたまどかの立場!!と思ったけど、


振り返ってみれば、渉との関係が

この1年で一番深まったからこそかもしれませんね。

ほんま慎ちゃんは魅力的なイイヤツでした。

 

 


汐田茅乃(遊井亮子)
個人的には、『白線流し』で
最も感情移入できたキャラクター。まともな親も友達もいない、
心の支えは、同じように
辛い境遇にいる渉だけ。

少しでも渉のそばにいたい、
力になりたいって振る舞いが
まぁーーー健気でね。いじらしくて。

 

そんな渉が、園子と付き合いだしたのを知ったときのショックたるや、
見てるこっちにも伝わってきましたよ。


工場の資金繰りがうまくいかない、
一人やめさせなきゃいけないってなったとき、
渉の代わりに仕事をやめたり、
渉の家に転がりこむも、
渉の重荷になっていると悟ってそっと身を引いて

東京で身体を売ろうとしたり(!!)


もう、ほんま、まじで

生き方が不器用すぎるよ茅乃!!


当初は恵まれた環境にいる(ように見える)園子たち全日組に

敵意むき出しだったんだけど、
長谷部くんに助けられてから
次第に心を開いて行く姿が、
本当に素敵でした。

なんかいきなり園子呼び優介呼びしてたのは

面食らったけど

借りていたお金を長谷部くんに返しに行ったときの長谷部くんとのやり取りとか、
7人で白線流しをやっているときの
穏やかそうな笑顔とか、
渉と分かれるときの安定した表情とか、

もう、わしゃ茅乃に

心奪われたね!

幸せになってもらいたいよ!

茅乃には!!

世間に失望して何も信じられなくなって
心がスレてしまっても、
隠しきれない純情さと透明感!

 

魅力的だったなあ…。

遊井亮子さん以外は
ありえない役だったと思います。

3.やっぱりスピッツ
話は戻してスピッツ
やっぱりスピッツ。最終的にスピッツ
これだよ、これなんすよ…。

空も飛べるはず
94年にリリースされた曲なので、
いわば白線流しのために
作られた歌ではないんですよね。
なのに、そんなに作品にハマるなんて、
それこそ奇跡。

渉と園子の心がどんどん近づいていったところで

流れるスピッツ「ロビンソン」

そして、最終回、
渉と園子の別れのシーンで流れた
スピッツ「Y」

 

いや、センス!

 

大切な場面で「Y」を選曲するそのセンス!


やばいよな、ハイセンスすぎる。

 

自分このドラマを見る前から
スピッツ好きでほとんどの曲を聞いていたので、もちろん「Y」も知っとります。

だけど、まさか白線流しの最終回で

挿入歌として使われるとは思わなかったので、ほんま驚きました。

「ロビンソン」はね、
大ヒットしましたからまだ分かりますけど、
「Y」だよ「Y」…。

 

別れ道でもあり、出会う道でもあるY。

白線流しのテーマには
まさにぴったりだけど、
ここで使うのかと。

スタッフにスピッツファンがいたのかな?

ものすごい選曲センスだと
心底感心いたしましたね。

 

4.チャレンジングな企画を

実現したプロデューサー

 何より賞賛すべきは、

やはりこのドラマを実現に至らせた

プロデューサーかなと思います。

 

有名とは言い難い、

若き才能ある俳優女優達をメインにして、

内容も決してキャッチーではないというか、ドキュメンタリー寄りですよね。

脚本や演出も決してドラマチックに偏りすぎず、でも質の高い連続ドラマとして最後まで成立させた。

 

これは、視聴率などの数字にとらわれず、

本当に良いものを作ろうとした姿勢と熱意なくしては実現なしえなかったものではないでしょうか?

 

内容的には、『愛という名のもとに』『あすなろ白書』『若者のすべて』『輝く季節の中で』『未成年』のような若手群像劇の系譜であると思うのですが、

その中でも異彩を放っているのは、

リアル10代、原作無し、

恋愛要素は控えめで、

あくまで平凡な高校生の日常と成長を、

じっくり時間をかけて描いた作品だからだと思います。

 

主題歌であるスピッツ

空も飛べるはず」の歌詞

君と出会った奇跡が

この胸にあふれてる

 

とあるように、このドラマもまた、

脚本×演出×音楽×映像×出演者

すべてが奇跡の集まりで完成した

まさに奇跡のドラマだと言えるでしょう。

 

 

ほんま、見てて心が洗われたわ。

良いドラマだった。

語彙力がないので、

こう言うしかできないのが悔しいほど。

 

子供というほど幼くはない、

でも大人というほど賢くはない。

 

でも、何かしなきゃいけない。

何ができるのか分からないけど。

もうすぐ卒業で、みんなとお別れなんだから。

 

中途半端な年齢でもがく7人の成長を

たっぷり見せてもらいました。

本当に感謝します。

ここまで脈絡なく

長々と書き連ねてきましたけども、

まあ、要は、

 

見てないなら

一刻も早く見ろ!

見てください!

 

とお願いしたい。

それぐらいのドラマだと思います!