The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

朝の連続テレビ小説『あぐり』見終わった感想を本音で語る

あぐり』、再放送も
ついに終わっちゃいましたねえ。
あっという間の半年やったなあ。
半年も付き合ったんだから、きちんと感想をまとめるのが
人類としての責務、つーことで、
感想を短めに文章化しときましょか。
しかし、ぶっとんだ自由なドラマやったなあ(笑)

1.見る前と見終わったあとで変わったことと変わらないこと

(1)変わったこと

澪つくし』の後に『あぐり』再放送だって決まったときは、
「うっしゃー!予想通り!エイスケさんかっこよかったよなー!ドラマも面白かった記憶あるし!」とガッツポーズしたんよね。

自分の中で『あぐり』っていうのは、
ゲゲゲの女房』と同カテゴリの
「王道朝ドラ」ってイメージ。
コミカルなシーンもあるけど、落ち着いていて、
品があって、見ていてジーンとくるシーンもある優しいドラマ。
そういう印象だったかな。
OPテーマの美しさも、そのイメージに寄与していたんでしょう。
ゲゲゲの女房』すげー好きだったし、
見ない理由が無かったんすね。




んで、いざ見始めたら、
あれっ?なんか思ってたんと違うぞ?と(笑)


それぐらい、いろんなことが
疾走していたドラマやったなあ。
ゲゲゲの女房』はね、割とゆったりとじっくりとしていたじゃないすか。
それに比べて、あれっ?あぐりもエイスケさんも落ち着きがねえな?と。
そんなことを初期では思っていましたねえ。


もっとも、私のおぼろげの記憶の中での『あぐり』というドラマは、
ショートヘアのあぐりと不変のエイスケさん、そして斗真じゅんのーちゃんですから、
15歳と16歳で結婚、したとか、エイスケさん消えがちとか、そういう要素がなかったから。

そりゃあ10代は落ち着きないっすよねえ。
あぐりがショートヘアにして以降は、
あぐりもエイスケさんも
本人比で落ち着いてくれてよかった。
本人比でね。



そうそう、そのエイスケさんね…
とんでもないよねこの人(笑)

見る前に私が抱いていた彼の印象は、
飄々としていて掴みどころがないけど
あぐりのことを愛していて、優しい人って感じだったんすけどぉ。


今回見返してみたら、
まあ見る前の印象と変わらない部分もあるけど、
やってることやべえ、ヤバイヤバイ!って、
何故か見ているこっちがハラハラするっていう(笑)
とにかくすべてがぶっ飛んでいて、
驚きましたねえ。
おしん』の竜三がボンクラ扱いなら、
エイスケさんは何になるのよって(笑)


いかに当時の野村萬斎
あまりにも衝撃的な存在であったとしても、
所作や姿勢が美しくても、物腰が柔らかくても、
このキャラクターが時代を席巻する大人気になった
当時97年の日本人は、きっと心が豊かで
まだ心に余裕があったんでしょうね。
そんなことを考えたかな。

まあ、こんな冷静ぶったことを言っているけど、
エイスケさんがあぐりの店の金を流用したり、
愛人と隠し子発覚したときは
てめえコノヤロー!
たとえフォルムが野村萬斎でも、
やっていいことと悪いことがあんだろうがオラァッ!

と自分も汚い言葉を吐きながら
キレたんですけどね(笑)



そしてあぐりですけど、
自分、田中美里さんは当時24、25歳ぐらいだと勝手に思い込んでて。
だから、本当は当時20歳で、淳之介を演じた斗真と
8歳しか年齢が変わらないと知って
「嘘だ!」
と思いました。

それも、その事実を知ったのがあぐりが東京に行ったあたりだったんで、
それまでは「かわいいけど、やっぱり10代の役は2人とも少し無理してんなあ」と思いながら見てて。

でも実際は、女学生パートのほうが実年齢に近いやん!って(笑)
大人っぽいし、落ち着いてますよね、田中美里さん。
だから15歳から47歳まで演じられたんやねえ。



それと斗真じゅんのーちゃん、淳之介といえば自分の中では斗真なんですけど、
一週分しか出番なかったんすねえ。第三形態の淳之介の方が出演回多いんでないの?
まあ、皆可愛かったっすけどね。


それにしても、全話見終わって思ったのは、
あぐり』って「王道朝ドラ」ではねえなあってことかな。

実在の人をモデルにして、OP曲はインストで、明治から昭和が舞台で、と
古き良き朝ドラの鉄板を踏襲してはいるんだけど、
中身はぶっとんでいて、見ていて唖然となるシーンもたまにあって、
どこか民放ぽさもあって、冒険作といってもいいかもしんねえっすね。
とにかく自由に、色んな風が吹いていた。
一色ではなかった。

Google情報によると、『京、ふたり』から『ふたりっ子』までオリジナル作品なんすよね。


あ、違うか、『春よ、来い』は
橋田壽賀子センセーの自伝的ドラマでしたっけ(笑)


そこから王道に回帰…と見せかけて
すげえ冒険したっていう。うん。
興味深い作風だったかなあ。

朝ドラは、80年代がストレートなら、
90年代は変化球交えてきた、ってイメージなんすけど、『あぐり』はナックル使いでしたね(笑)





(2).変わらないもの

今回再放送視聴という形で見返してみて、
あまりの自由さと変化球の多さに、
思てたんと違う!となってたんですけど、
まあでも、面白かったです。
その感想は全く変わりません。

とにかく明るくてカラッとしていて
テンポが良かった。
キャラクターも皆イキイキと輝いていたと思います。

結局朝ドラってものは、
ヒロインが明るく前向きで引きずらない、
周りの人々も優しくて面白い、
この基本構造が大切なんでしょうね。
あれ、これ「王道」なんじゃね?(笑)

皆が皆『おしん』や『澪つくし』でなくてもいいんですよ。
っていうか、この2作品が異色なんでね。



それとあぐりとエイスケさん、
2人ともとんでもないマイペースでしたけど
やっぱりこの夫婦関係が好きなのは変わらんね。


2人とも、いざ自分の配偶者に!と言われると、
えっ?う、うん、燐太郎さんもつけて!となるけど(笑)



でも2人のやり取りや、お互い影響しあって、
お互いの自由を尊重して、
そんな独特な関係が本当に好きだった。

どこかうつけになりきれない冷静さを持っているエイスケさんと、真の自由な精神を持つあぐり

これは、演じているのが田中美里さんと野村萬斎さんだから成立したよなあと。
うん、素直に賞賛したいと思いますよ。
…何様だよ(笑)



それと、音楽は本当に素晴らしかった!
どんなにぶっとんだキャラが出てきても、展開になっても、
「朝ドラ」としての品を失わなかったのは、
音楽の力が非常に大きい。
OP曲は歴代TOP3に入る!という私の印象は、
見終わったあとも変わりません。


やっぱりねえ、J-POPよりインストなんすよ。

いきものがかりの『ありがとう』とかみゆき様の『麦の唄』とかスピッツの『優しいあの子』とかSuperflyの『フレア』とかマジ最高っすけど
やっぱり朝ドラのOPは騒がしくないインストがベストオブベスト。
ふたりっ子』、お前に言ってんだぞ(笑)









2.作風の触感

おしん、はね駒、澪つくしと見てきて、
あぐり』は前者3作と違って90年代の朝ドラなんすけど、
なかなか興味深い作風でしたね。
BS12で『ふたりっ子』も再放送されて途中までは見ていたんすけど、
同じ90年代でも、『ふたりっ子』と『あぐり』もまた違うんすよね。
ふたりっ子』もまた異色朝ドラだとは思いますが、エネルギーとパワーがある。

おそらく、作家性が出ているか否か?
あぐり』はむしろ脚本は出演者と演出と音楽、そして原作を生かすための黒子に徹している感じ。
パワーというより、自由さと軽やかさを表現することを最優先にしているなあと思いました。









(1)あぐりドラゴンボール?!

んで、この軽やかさとテンポの良さは、個人的には週刊連載の漫画のようだった。
もっと具体的に例を上げると、ドラゴンボール的と思ったかな。


…いや、『あぐり』が
バトル系朝ドラって意味ではなく(笑)

皆少しずつ勝手だけど、基本的に優しく明るく、(一部除く)
自分の人生を生きている感じ。それほとんどの朝ドラがそうなんじゃ

ドラゴンボールって、とにかくテンポが良いし、
もっと掘り下げてバンバン感情移入させて
ドラマチックにしてもいいところをあえて排除して、
シンプルで分かりやすく、疾走感があるのよね。

面倒臭いから、街は爆破するし、
やたら荒野で戦うし。

…この理論だと、勇造の嫁やチェリー先生の旦那は、
爆破された街ということになっちゃうな。
もしくは人造人間19号(笑)

つまり!ジメジメしてないし、チンタラしてないのがいいところ。

でさ、『ドラゴンボール』も「内容がない」とか
「深くない」とかたまに言われるんだけど、
いやいや、全然分かってねえなと(笑)
悟空が四星球のおかげで命が助かったシーンとか、
死んだじっちゃんに再会するシーンとか、
ピッコロが悟飯をかばって死ぬシーンとか、
クリリンと18号とか、ベジータの葛藤とか、ミスターサタン魔人ブウの交流とか、
ぐっとくるシーンや展開いっぱいあんじゃん!!

ピッコロやベジータが優しい心を持っていく過程とか、魔人ブウ(デブ)の純粋さとか、
表現控えめにしてるだけで、すげぇ深いじゃん!!とね、思うんすよワタクシ。
「内容がない」とか言ってる奴って、
暑苦しいぐらい押し付けがましくしつこく描かんと分からんのか?と。



……ドラゴンボールの話で盛り上がってどうする(笑)
でもね、『SLAM DUNK』や『幽遊白書』に負けないぐらい、
ドラゴンボールは深い漫画だと思ってんすよ。
ただ作風の違いなだけ。
そういう湿っぽさを強調するよりも、
次へ次への推進力。
鳥山先生の場合、湿っぽいのを描くのが
恥ずかしい&めんどくさかっただけだと思いますけど(笑)

そんな鳥山明ワールドとあぐりワールド、
引きずらなさやドライさ、
何だか雰囲気が似ているよなあ、と感じて、
だから『あぐり』も当初の印象と異なっていても、
楽しく完走できたんだろうな。


……鳥山明作品に似てるというべきだったか。









(2)90年代コメディ

それと『あぐり』はとにかくスキあらばコント…ではなく、
コメディやコミカルシーンをぶち込んできて、
そこがまた、どよーんとならなくてよかった。
淳之介の出征シーンとか、
空襲場面でとめさんの預金額コントし始めたときは、
笑っていいのか少し迷ったけど(笑)


そんでね、そのコミカルなシーンが、
何とも私の好きな90年代フジ系ドラマのコメディっぽく感じられて、
それがまた、個人的にどストライクだったかな。
具体名を言えば、『チャンス!』とか、『王様のレストラン』とか、
成田離婚』とか、『ショムニ』とか、そこらへん。

ほぼ鈴木雅之臭と言ってるようなもんじゃん(笑)
共同テレビ臭とも申しましょうか。うん。


新しいパーマネント機の実験台を押し付け合う回とか、
御大とお義母さまが鉢合わせしないように周りが奔走する回とか、
お義母さまが磯辺に詰め寄るお約束シーンとか、見ててすげー楽しかったし、
フジの90年代ドラマみたいやなあと思った。
あぐり』も90年代ドラマなんですけどね。

あと、非コミカル場面、心がじんわりとするシーンとかも、
ロングバケーション』とか『ビーチボーイズ』とか
『それが答えだ!』とか、そこら辺の雰囲気を感じた。


あっ、『それが答えだ!』は名作なんで
見てくださいね、メッセージ性は割とまっすぐで、
たまに「そんなアホな…」と見ていて噴くシーンありますけど(笑)


コミカルなシーンの表現とアプローチについては、
堤幸彦宮藤官九郎以前と以後に分かれていると思っていて、
堤監督は出始めの頃はネコ被ってたので(笑)
正確に言うと『ケイゾク』の堤幸彦・『池袋ウエストゲートパーク』の宮藤官九郎以前と以後ですね。
それぐらいこの2作は衝撃的で、
以後の作品に大きな影響を与えたと思います。
スベリ笑いとか、間とかテンポとかね。
2作とも私は好きですけども。うん。


それと、漫画原作やアニメ原作の作品が、
テレビドラマに影響力を強く持ち始めたというのもある。
金田一少年の事件簿』『白鳥麗子でございます!』『ショムニ』『GTO』あたり、ヒットしたからねぇ。
だからコミカルな場面やコメディパートの演出も、
漫画やアニメ寄りに変化していったんかもしれん。

…なんか話がそれてきたんで、『あぐり』に話を戻すと、そういった意味じゃ、
あぐり』は一番いい時期にドラマ化できたんじゃねえかなって思いますね。


80年代にドラマ化していたら、
きっと波瀾万丈の苦労を重視してパワー系に描かれる。
…パワー系っつーのは少し語弊があるな(笑)
ストレートにエネルギッシュに描かれていたと思うわけです。
かといって00年代だと、コミカルシーンのバランスが少し崩れていたかもしれません。
軽やかさと自由さと品を程よく調和させる、変化球と王道をうまく融合させる、
これは90年代だから成立したんじゃねえかな。
そんなことを、しみじみ感じながら見ていたなあ。








3.反省点

ここまでの感想だと、『あぐり』に
100点満点をつける勢いですが、
まあ、そんなことは無いんで(笑)

というか、100点満点のドラマは
存在しないと思ってて。
どんなに名作と言われるドラマでも、
ケチつけようと思えばつけられるだろうし。うん。
100点満点ではありません。

おしん』なら、乙羽信子さんにバトンタッチして以降は
「なんだこのババアは…」と仁に同情しながら見ていたし、
『はね駒』は正直松浪先生が退場するまではノレなかった。
ああ、松浪先生が悪いわけではないですよ。
澪つくし』も、「最後1週間ぐらいは心穏やかに見させてくれや!」と悲鳴を上げていました。
いや、面白かったんすよ。ハマったし…。
でも最終週めっちゃギチギチで、すっげぇ勢いで人が死んでて、
「1週分話数を増やしてるのになんでこんな駆け足なんや…」と思ったね。
見終わったあと、どっと疲れた。

面白かったけど、バランス的に60話が
一番名シーンとして相応しいかなとも思った。
やっぱりね、人が死ぬシーンとか別れのシーンとか、
名シーンとしては心の中で盛り上がりづらいんよ、深層では。
ストーリー展開は良かったんだけどね。うん。



んで、『あぐり』に話を戻しますけど。
色んなことすっ飛ばして、
基本的に勢いとノリで書いてんな!と見ていて思った。
(それも『ドラゴンボール』ぽいと思った点)
こまけぇ!ことは!いいんだよぉ!と叫びながら書いてそうって思った。なんだそれ(笑)

でも、それがストーリーの自由さと軽やかさ、
風のような爽やかさに繋がったんだと思うから
否定はしない。

面倒なんだよね〜伏線回収!とか、
緻密な脚本!とか実はこんな設定があって云々…とか、そういうノリ。
いちいち面倒くさいんだわ。
ドラマは楽しきゃいいんだ楽しきゃ。
それを脳内に設定した上でドラマ見ねえわ。
って思うわけです。
ひねくれものですね〜(笑)


大まかな構成は決まっていたと思います。
ストーリーにもキャラにもほぼブレは無い。
これは元となった吉行あぐりさんの半生が
実にドラマチックで、ネタに困らねえ!ってのもあったでしょうけど。

点をあらかじめ何個か作成しておき、
そこをちゃんと繋げれば、基本的にどんな線でも構わない。
わりといろんなものを逆算して脚本書いてるんだなあというのはしっかりと伝わりました。
作家性は薄いけど、悪くない脚本です。
…何様なんだっての(笑)



ただ問題は、ペース配分?尺が足りなかった?と思える終盤の駆け足感。
たとえきちんと点を繋げても、
線の長さも決まってるわけですから、
そこは気になったかな。


最初からあぐりの職業ドラマにするつもりはなかったと思うんで、
そこは別にいいんですけど、
淳之介と諒子ちゃんの別れのあたりから
「これ脚本家気分ノッてないな」と感じた。
それと、再婚エピソードの雑さと再婚後のありきたりさ。

スケールちっちゃくなった普通のドラマは
あぐり』に求めてねぇんすわ!
と紫の目で見てました。
お義母さまとの別れの回までは、赤い目で見てたんすけどねぇ。いい回だよねあれ。


なんかね、見ていて思ったのは、
夏休みの宿題を夏休み終了前日に慌ててやってる感じ。
具体的に言うと…


よし、エイスケの死も上手く書けたぞ!!
愛人と隠し子の存在もうまく着地し解決!
よし、戦中シーンも明るさは失わないように書いたぞ!
山梨パート…ムズいなぁ…でも光代さんとの別れはきちんと描かねえと!
うし!OK!!星由里子さんさぞうまく演じてくれるはずや!
あぐりが一歩踏み出すのに山神先生再登場で伏線回収!
平山先生もここでひとつまみ…くぅーこの役を
実娘の吉行和子さんがやってくれるとは…全神経集中で書かねば!
吉行淳之介の作風確立に繋がるから諒子との別れもちゃんと描かないと!
でも苦手だわあ…。うし!淳之介が婦人現代復刊さす!
屋根の上での母との語らい!いいなぁ〜これ!(恍惚)
御大と妻五郎と磯辺は人気あるからちゃんと扱うぞ!
…うしっ、御大も良い感じで退場させられたぞ!泣けるわぁ!



………あっ、やべえ!
もう2週分しか無いのに林さんとの再婚エピソード掘り下げるのすっかり忘れてた!
淳之介の病気&芥川賞エピソードと和子の女優への第一歩エピソードと理恵エピソードも…いや無理じゃん。無理だろこんなん…。やっべぇよ忘れてたわ…あらかじめ決まってる最終回とどう繋げよう…尺足んねえわ…


なんだこれ。
うん、もちろん私の脳内での想像ではあるんすけど。
でもそういう風に受け取ったんよね。


まあ、要は政伸の扱いが気に入らない(笑)
うちの政伸はもっと出来る子なのよ!
私の中の寿美花代が言ってるんすよ。
あまりにも大人気すぎたエイスケさんの後は大変だったと思いますが、それにしたってさあ…。

当時の高嶋政伸のタレントパワーをもってしても、なかなか厳しいもんがあったかな。

普通にあぐりに一目惚れとかして、
猛烈アタックかまして、何かのきっかけに
再婚とかで良かったんちゃうかね、同じ創作路線なら。

あぐり』は出てくるキャラが
皆イキイキと息づいてる、イキだけに…。


イキイキしているのが魅力の一つですが、
林さんは今ひとつ、最後まで馴染めなかったかなあ。

林さんと未亡人さんととめさんの姉は、
もうちょいどうにかできたやろ!と思ったし、うまく消化できなかったことは残念。


多分、中盤までに出てきた人たちが
みんな魅力的すぎたんですね。
それと、あぐりとエイスケさんの関係性を
作品比で掘り下げすぎたか。

個人的には、尚ちゃんと南くんはあと少しだけ出番が欲しかった。
新人の千花ちゃんと沢子ちゃんが仲良くなる過程が見たかった。
辰子さんの旦那の顔ぐらいは見たかった。


…とこのように、つけようと思えば
ケチなんて簡単につけられますね(笑)

でも、全部文句なく詰め込んで
あんまりギチっとした緻密な脚本にされても、
それはそれで『あぐり』の冒険性とか風のような作風は損なわれるわけで、
概ね、脚本はあのままで良かった、
ってのは変わらんかな。
しかし、政伸の扱いはひどかった(笑)


納得いかねえ、といえば
鈴音ちゃんの扱いかな。
あんなに優しくて良い子だったのに、
戦後に出さないどころか言及すらしないなんて、ひでぇんじゃないかおめぇら!?と思ったね。

好きなキャラだったんで。

あぐりをチェリー先生に再会させて
美容師への道に行くきっかけを与えたのも鈴音ちゃんなのにな!
おしん』の染子さんも突然消えてしまって悲しかった。

ちょっと鈴音ちゃんの扱いには、
納得いかないかなあ。




4.まとめ

まあ、良かったですよ。うん。
良いドラマだったし、さまざまなことを考える機会になって、興味深かった。
好きなキャラクターも見返したい回もいっぱいあった。
ギャハハ!と笑える回もクスッとしてしまうシーンもあった。

あぐりの引きずらなさと前向きさ、
執着しすぎないところ、でも大切なことは覚えてる性格、自分も見習いたい。

ひねくれもので陰気で物事を斜めに見がち引きずりがちですが、
彼女や彼女の周りの生き方は見ていてとても癒されたし、
心の中にすうっと風が吹き抜けるようだった。


良かったと思うんすよ、ひねくれ者の自分にも
純な気持ちが残ってたんだなあって(笑)


再放送してくれたNHK、好演してくれた出演者、
良い仕事をしたスタッフ全員、
本当にありがとうございました。


次の再放送は、日本の景気が
上向いた頃にお願いします。

来るのか?そんな日(笑)