The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

めっちゃ早口で語る『ニュースの女』の感想



『ニュースの女』は、1998年冬クールに
フジテレビの水曜劇場枠で放送された連続ドラマです。

どうやらビデオ化すらされてないらしく、そんなドラマを
インターネッツ上で動画見つけちゃったら
私のレアドラマ視聴癖がうずうずしてしまって、
すっかり『見る』という選択肢が脳内を支配してしまいました。

1話だけ気楽に見てみるつもりだったんですけどねえ…。
想像した以上に面白いドラマだったので、
一気に最終回までぶっ通しで完走しちまったい。

全話見て、鈴木保奈美さんの演技が好きになりました。

 

『ニュースの女』のここが良かった!
1.”麻生環”という役と鈴木保奈美さんの演技
まず1にも2にも、

”麻生環”という役が良かった。

そして鈴木保奈美さんが、

見た目も演技も完璧でした。

 

麻生環は、Channel2の『Eveningnews』のアンカーになるのが
幼いころからの夢だった、野心家の女性ジャーナリスト。主役です。

傲慢で冷たくて、昔からの友人の秋吉(吹越満さん)以外とはつるもうとすらしない。
そんな孤高の一匹狼だった女性が、夫と前妻の息子・龍(滝沢秀明さん)との奇妙な同居生活を通して
ジャーナリストとして、そして人間として変化していく。

大まかにいえばドラマはそんなあらすじなんですが、
完璧に成立できたのは、麻生環という役が
とてつもなくキュートで魅力的だったからというのが大きいと思います。

ドラマ序盤を見てもらえれば分かるのですが、
序盤の環はいろんな人に当たりが強いです。
前任のアンカーであった方(余貴美子さん)からの皮肉にも動じることはないし、
夫(西村雅彦さん)の友人である久保田(長塚京三さん)に対しても
息子である龍に対しても、愛想笑いなどほぼ見せない辛辣な態度。
Eveningnewsのスタッフにもそれは同様。

秋吉さん、そして番組のプロデューサーである紺野(野村宏伸さん)や
課長(小野武彦さん)さんには愛想笑いぐらいはするけど、それ以外の人に対しては
仕事以外で話しかけてくるなと言わんばかりの態度。

 

 

…この説明だけ見ると、愛せる要素ほとんど無いな。

 

でもね、環には初回から愛らしさというか、可愛らしさがあったんですよね。


それは演出も良かったけど、演じている

鈴木保奈美さんの魅力に拠るところが大きいと思うんだな。

まず美貌。この美貌を見てよ。
綺麗すぎる。
美しすぎるよ。
こんな絶世の美女だったら
「媚びなくていい、むしろ媚びないでほしい」とすら思うね、おれなら。
だから多少の傲慢さは許される。むしろ傲慢でいてほしいとすら思う(念押し)

これは誇張でもお世辞でも何でもなく、

全11話あるんですけど、

各話ごとに少なくとも一回は

…えっ?

待って??

美人すぎない!?

目の錯覚!?えっ?

こんな人が現実に存在するの??

と思わず目を疑うほど

美の暴力喰らうからね。

それでもって、ファッションも素敵だからね。なんなんこれ。

美しさって度を超えると

もはや奇跡というか、限界ってないんだなって思います。

ちょっと自分で何言ってるかわかんなくなってきた。でも混乱してしまうぐらい全編に渡って美しいのさ。

 

それでいて、声。
鈴木保奈美さんは美貌もさることながら、
声もとんでもなく可愛らしいのです。

 

役者さんは演技力や見た目も大切だけど、声も同じぐらい大切だと思っていて、
鈴木保奈美さんと松嶋菜々子さんは声が(も)良い二大巨頭なのです、自分のなかで。
(GTOの冬月先生とか、菜々子以外がやったらあんなにハネたか定かやないぞ)

 

声が可愛いから、多少の傲慢な発言・辛辣な暴言の攻撃力は半減し、
優しい言葉や殊勝な態度のときは可憐さが倍増する仕掛けです。ずるくね
雨の中不良が捨て犬の世話をしてるがごとく…。

 

それでいて、そんないうほど

嫌な奴でもなかったからね、環。

 

前述した説明だけだと

「なんて女だ」と思っちゃうけど、
ドラマを見てみると、

なかなかひどい目にあってるし、
優しいところもあるし、

反省や改善もするのです。

 

そして、環が一貫して『巻き込まれ型』の主役だったことも大きいかな。
傲慢なヒロインがいろんな出来事に振り回されているうちに
人間として成長する、大切なものに気づくというストーリーだから。


まず、新婚の夫が結婚翌日?に
前妻とともに交通事故で死ぬという、

特大不幸に見舞われます。

そして、夢だった「Eveningnews」のアンカーとしての初日に
夫の交通死亡事故をニュースで読む羽目になるし
(何ならその時点で初めて夫の死を知る)
初回からなかなかのハードモードです。

 

夫の死を悼む間もなく、龍は久保田さんとともに
環と夫の新居に押しかけてきて龍を預かることを提案してくるし、
そりゃ環も困惑するよね。


しかも龍は前妻との子で、新婚パーティーで初めて会わされたとき
イヤミなことを言われたし、同居なんて、良い気持ちしないよね。

それでも、龍が帰ってこなかったら、人並みに心配したりするし
龍が学校に来ていないと知れば、「私には関係ない。関係ない」と言いつつ
久保田さんとともにその理由を探ろうとするのです。

環に対して心を開かなかった龍が次第に彼女を慕い始めたのも
(お互い二人きりだとなかなか素直になりませんけどね)
そんな優しいところを知ったからではないでしょうか。

 

また、報道に対して真摯であったことも大きい。
念願だったEveningnewsのアンカーの地位を守る=数字を取ることに
心が囚われもしたけれど、久保田さんや龍からの助言や苦言を受けて
独断でコメントしたり、自分の地位を顧みず行動したり、
報道って何?ニュースって何?ということを再考して
華やかな地位を捨てて『自分を必要としてくれる場所』を選んだり。

 

龍や久保田さんは、そんな環のジャーナリストとしての姿勢にも
好感を抱いたのだと思います。

 

そして何より私がドラマを見ていて環に好感が持てたのは
「反省をすること」「成長していったこと」です。

 

たとえば、初回で夫が大切にしていた灰皿を

龍が割ってしまったときは
本気で叱り罵倒してしまいました。


しかしその灰皿が、龍が幼いころに夫にプレゼントした
手作りのものであったと知った時、
心から反省し、それと同時に龍の心を心配しました。

 

3話で無能扱いしていたEveningnewsのスタッフに
助けられたときはきちんと自分のミスを謝罪し、態度も改めました。

Eveningnewsのアンカーの座を追われて
ニコニコケーブルテレビジョンという零細テレビ局しか仕事がなかったときは
そのあまりの仕事の内容の格差に不満タラタラでしたが、
人の温かさを知り、自分が報道することで誰かの心を動かすことの重要さを学び、
最終回であんな展開になったわけで。

 

連続ドラマに限らず、物語というのは
キャラクターたちの変化を描くものだと思いますが、
このドラマはそれが秀逸であったと感じます。

鈴木保奈美さんという女優さんが、とても芸達者でキュートで魅力的であったということ。
それがこのドラマが面白かった

最大の要因でしょう。
(褒めすぎかな?w)


でもさあ、本当にかわいいんだよ…。

綺麗なのは当然で、

可愛いところもいっぱいあるのよ。

 

ドラマを見ていて、

あまりの美に驚くと同時に

アカン、めっちゃかわいいやんけ…

ツンデレツンデレきた!!!!

プリプリしてる顔までかわいいって何事だよ!?

落ち込んでるところもかわいい…。

調子乗りまくってるな〜(笑)

と彼女に恋しそうになったもの。というか恋してた。

1視聴者の私が恋してたんだから、そりゃあ龍や久保田さんや秋吉さんに

好かれるのもやむなし。

 

麻生環の可愛らしさを見届けるだけでも、
このドラマを見る価値はあると思うな。

コメディエンヌとしても、良かったなあ。
コメディの間が上手いと、おれ的にポイント大幅UPだけんな。


2.環×龍×久保田さんトリオ
”麻生環”というキャラクターも良かったけど、
そんな彼女を見守り、たまに苦言を呈していた
龍と久保田さんとのやり取りもものすごく見ていて楽しかった。

この3人のやり取りをずっと見ていたいなあ

と思わせるのは良いドラマの証。
そしてそんな視聴者(というか私)の願望を叶えてくれるかのような
脚本と展開だったしね。

「いやいやそんなバカな(笑)」みたいな脚本でも、
演出や音楽や役者さんがちゃんと演技してて、
それが視聴者が望む展開になるなら、
多少のことは許されるんだよな。
常に緻密な脚本だけが求められていると思わないでほしい。

龍は、初回だけ見る限りだと
「鼻持ちならねえガキだな」

私の中では好感度低かった。

 

このころのタッキーが美しいなんて、
木曜の怪談リアタイで見てたおれにとっちゃ
今さら驚くようなことでもないの。
このころのタッキーが可愛いなんて、
魔女の条件完走したおれにとっちゃ当然なわけ。


空は広いし海は青くて深いしこのころのタッキーは綺麗なんだよ。常識。

 

まあそんなわけで、

当時の視聴者たちが抱いた
タッキーへの美しさへの驚きという付加価値が私には無かったので、
初回での龍への好感度が低かったのだと思います。
(騒音系迷惑がまたクリティカルに不快だった…)

ただ、2話以降は普通に良い子だったので、好感度爆上げ。
ぶっきらぼうで素直じゃないけど、
環への優しさを見せたり、認識を改めたりと
彼もこのドラマ内できちんと成長しましたよね。

このシーン、美しすぎたわ。

やっぱり冬クールのドラマが

一番美しいわ映像的に。

 

最終回としか言いようのない8話ラスト。

環と龍の心が一気に近づいた瞬間。

うおおおおおおおっ!!とガッツポーズしながら叫んだわ泣きながら(珍獣)

 

夫曰く、環と龍は「似た者同士」
そう語ったわけがよくわかる全11話でした。

久保田さんは、初回から不思議と好感度高かった。
反発しあう環と龍の緩衝材となって、実に絶妙な立ち回りでした。

料理をして二人とともに食卓を囲んだり、
「環が男と同居!?」と突撃してきた秋吉をいなしたり
星野さん(藤原紀香さん)にデレデレしたり。

大人と男のあいだを行ったり来たりしてる様が実に可愛らしい。

長塚京三さんがまた魅力的なんだ。
元来のダンディーさと、ちょっと抜けてる感じを出すのが上手いんよね。


環との関係は、何とも言えない。
友人の妻。友達。好意を寄せる女性。
いろんな感情がごちゃ混ぜになった感じ。
これは環×龍もですけど。

変に色恋パートが生々しくなかったのも良かったのかもしれないね。
龍は環のことをどう思っているのか、とか
久保田さんは環をどう思っているのか、とか
当人がはっきりと明言することはなかったんです。
それが良かった。

明言してしまったら、3人の心地良い関係は壊れてしまうから。
龍も久保田さんも、それがよくわかっているのでしょう。

龍が恋をしている?という疑惑がもちあがった回(5話だったかな?)
笑顔で手を振って見送る環を見つめる龍の表情が意味深だったり
最終回?で環や龍から距離を取ろうとする久保田さんとか、

それぐらいの描写でこっちは勝手に萌えるわけでね。
自家発電できるわけですよね。
視聴者を信頼している、みたいな?なんかよくわかんないけど。

まあ、とにかく環×龍×久保田さんのやり取りが最高に良かったのも
このドラマ完走できた要因の一つってことっす。

3.演者と演出と音楽
メイン3人だけでなく、出ているキャスト皆良かったと思う。
初回を見始めたときは、鈴木保奈美さんとタッキーと長塚京三さんと藤原紀香さんが
出演することしか知らなかったから、次から次に知ってる役者さんが出てきて驚愕だったよ。
ガチで知ってる役者さんばっかりだったもんなあ。

星野夏美(藤原紀香さん)
お天気キャスターで、いつかアンカーになりたいという野心を持っている
環の鏡のような存在。
環が婦人科に行って妊娠しているかどうかを調べていたのを盗撮したこと以外は
特に環を陥れるようなことはしていない&恋バナでなぜか協力的になっていたので
そこまで嫌悪感はわきません。
あ、でも環がアンカーを降ろされたあとに後釜に座り、
ハイヤーに乗り込むときとかの顔はイラっとさせられました(笑)
視聴者にイラっとさせるための演技なので
「紀香このころから演技まあまあいいじゃん」と思ったりして(何様だ)

 

秋吉直人(吹越満さん)
吹越さん、顔がタイプなんですよ。もう、若いころの吹越さんの顔が本当に好きで(笑)

ガメラ2』とか殴る女とかヘビロテしてたし。(その割には今作に出てること全く知らなかった)

 

 

だから思わぬ収穫でした。出番多いし。主人公の理解者役だし。
報われないどころか想いに気づかれることすらなかったのは不憫だったが
それでこそ、という気もする。
吹越さんは、このドラマきっかけで
殴る女でのメイン抜擢になったのかしら。

 

杉村亮子(奥貫薫さん)
奥貫さん若い!
秋吉さんに思いを寄せる杉村さん役で
環には3話で(わかりやすく)邪険に扱われましたけど、
環を陥れるとかそんな展開がなく、終盤では環と秋吉さんを手助けしたり
環に「麻生さんは間違ってないと思います!」と言ったり、
可愛らしい良い人でした。

 

藤原圭二(伊藤俊人さん)
伊藤さん!!
伊藤さん出てきただけでちょっと潤むものがあったわ。

アンカー専用のハイヤーの運転手役なんですけど
基本的に無表情なのですが、環への信頼とか尊敬とか
仕事への責任感とか、そういう感情が伝わってくるというか、
自然に滲んでくる演技力はさすがの一言。

 

望月秋夫(井田國彦さん)
おれ世代だと井田さんはやっぱりGTOの勅使河原先生が印象的なんだけど、
このドラマでも出番はそこまで多くはないけど良かったです。
設定だと、環を快く思っていないスタッフ役なんですけど、
環を陥れようとせず、3話で渡部くんと杉村さんの作業を手助けしたのにぐっと来た。
あ、この人もプロなんだなって。
また、6話だったかな?銀行立てこもり犯にインタビューをし終えた環を労ったり、
9話でチャンネル2の常務の代議士との不正癒着を暴こうと意気込む環と秋吉に苦言を呈したり
敵でも味方でもないポジションというか、結構複雑な役をやっていたと思います。
(もうちょっと出番が多くても良かったな~)

 

渡部修二(橋爪浩一さん)
まだまだ新人だけど、報道への熱意はある渡部くん。
また、環への憧れも少しあって、可愛らしい役でしたね。
3話では窮地に陥った環を救う大ファインプレーをしていました。
この方だけ存じ上げなかったんですけど、
ググったら1999年に26歳の若さでお亡くなりになっていたんですね。
見たことないはずだよ…。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

長井友子(あめくみちこさん)
メイクさん役。設定だと「当初は環のことを快く思ってない」ってことになってんだけど、
そうだったかな?とは思う(笑)


割と序盤から懐いていたというか、環の味方だったというか、
星野さんを敵視してただけ?お色気系で若かったから?(笑)

出番はそこまで多くないんですけど、良い役でしたよ。
10話だったかなあ、いよいよ環がアンカーを降板しなきゃいけない当日、
環に初めて本音を話すのよ。環も長井さんに「貴方のメイク好きだったわ」と言って。
そこで長井さんが涙ぐんじゃうのがね、

なんかぐっと来たわ。(ぐっと来てばっかりや)
こういう小さいけど細かい描写がまた好きなのよね。このドラマ。

日向志津夫(小野武彦さん)
いつもの小野武彦さんって感じです(なんだそれ)

課長役、えらい人なんだけど、
自分より年下の人物に仕切られてて、ことなかれっぽい感じが
踊る大捜査線での役とかぶる。あっちも課長か?

秋吉が降りるなら私も降ります!と辞表を提出した環を諫めて
さりげなく紺野Pを制止して二人を助けたシーンが良かったかな。
でも基本的には紺野Pに逆らえない人でした。

 


紺野徹(野村宏伸さん)
数字至上主義で、数字のためなら何でもやる元バラエティ畑のプロデューサー。
基本的に嫌なやつなんですけど、言ってることはたまに正論だったりするんですよね。
秋吉さんに殴られたり、環がチャンネル2の重役の不正を強行報道したり
チャンネル2のアンカーの件を環にブッチされたり、不憫なところもありますが、
見てて「こいつむかつくな~」と。そういう役ですからね。

そういう役だからこそ、5話だったかな?
チャンネル2スタッフたちが環と共に恋愛話で盛り上がっているときに
渡部くんが「紺野さんにも聞いてみましょうよ!」と口走った時

内心ドキドキしながら声をかけられるのを待ってるシーンがかわいらしかったです。
(なお声はかけられなかった)

 

工藤海渡(西村雅彦さん)
初回見ててねぇ、「えぇ~西村雅彦さんまで!?このドラママジキャスト豪華なんですけどおおお!」とかテンション上がってたらね、初回で死んだ(笑)


愛とか恋とかくだらない、そんなものは要らない。
そういう考えだった環が恋に落ちた相手役だったのよね。
ドラマのテンポ的に仕方ないし、鈴木保奈美さんの演技で
なんとなく脳内補完できていたからいいのだけど
環と工藤が恋に落ちるスピンオフも見たかったかなあ。
1話のそれも中盤ぐらいでサクッと死んだからなあ。

 

内田亜矢(深田恭子さん)
深キョン『ストロベリーオンザショートケーキ』よりも前に

タッキーと共演しとったんね!

龍の同級生役とな!
『ニュースの女』では特に目立った活躍はなかったんすけど、
神様、もう少しだけが確か1998年の夏クールなんで、
ブレイク前夜ぐらいのときやったんやね。今作は1998年冬クールなんで。

 

 

内山田(小日向文世さん)
小日向さん!髪がある!
髪があるとまた一段と堺雅人さんに似てますねえ…。

明らかにやる気なさげな環を温かく見守り
逆にやる気みなぎりすぎの環を諫める
そんな優しい上司役でした。

石清水(梶原善さん)
梶原善さんは、あんまり変わってないすね。
環に初めて会ったのが石清水さん。
ピリピリしてる環を受け流し、
ジャーナリスト精神に燃える環に憧れ、感化され
環がひそかに独自取材していたごみ問題のテープを報道大賞に応募した功労者。
環が戻ってきてよかったね石清水さん!

富田林(正名僕蔵さん)
正名さんもさすがに若い!
初見が『HERO』の守衛さんなんですけど
それよりさらに2年も前だもんな。
環のことを、やがてあの人も大きな世界に帰っていくんだ、そういう人なんだ
かぐや姫みたいな人なんだ、と評していたのが印象的でした。
環と(しばしの)お別れするときは意外と寂しそうで、
あーこの人も環のことを人間として好きになっていたんだろうなと感じられましたね。
にこにこケーブルテレビジョン編、もう少しあっても良かったかもな。
(実際は「もっと見たかった」ぐらいがちょうどいいテンポになるのは分かっている)

 

あとゲストキャラにも余貴美子さんとか、相島一之さんとか、浅野和之さんとか、黒田福美さんとか村田雄浩さんとか、阿部寛さんとか、筒井康隆さんとか、佐戸井けん太さんとかもおったし
キャスト豪華すぎやんけえ!ええっ!?と毎回驚いてた。
それでいて、無駄遣いもなかったし。
あの頃のフジテレビドラマらしい群像劇の作りのうまさというか。

こういうのはフジテレビにしかできない感じ。好きだわあ。

私のドストライクな作風だから、余計に刺さったんやろな。

演出が、殴る女と一緒なので、なおさらおれっち好みであったのだ。

共同テレビ臭というやつ?(なんだそれ)

 

音楽もすごく良かった。

本間勇輔さんという方が劇中音楽を担当されているんですが、

この方がまたレジェンド。

古畑任三郎『コーチ』僕の生きる道などを担当された方で(『コーチ』も見返したいから配信してくれーっ!!)

『ニュースの女』の音楽もすごく良かったです。

またJUDY AND MARY『散歩道』が主題歌なんですけど、

それもすごく良かった!ドラマにガチハマリしてたと思う。

 

歌詞にある

 

誰よりも大切な人 

手をつなごう 誇らしく前を見て

つくられた地図はいらない 

私達の道は続く

何よりも大切なこと 

手をつなごう やわらかい風が吹く

少しだけ優しくなって

夕暮れにも早く気づく

 

が、まさに環×龍×久保田さんの3人の

奇妙な疑似家族関係をあらわしているようで、何度聞いてもグッとくる。

そして、傲慢で一匹狼だった環が優しさと柔らかさを手に入れるまでの過程も。

 

いやあ、良いよね『散歩道』

アカン、語ると止まらんな。

4.自然なメッセージ性
このドラマは基本コメディですが、
ところどころに数字主義への皮肉であったり、
「報道」とは何かについて考えさせられる部分があります。(アホなノリだけの回もある)

 

主人公の環もまた、『Eveningnews』のアンカーとしての夢を叶えた後
慢心と失敗、そして挫折を経て、
彼女なりの「報道とは何か」「ニュースの意義は」の答えにたどり着くのです。

 

例えば3話は、自分の得意分野だからと慢心していた環が窮地に立たされ
ずっと邪険に扱ってきたEveningnewsのスタッフの機転に助けられるのです。
これ以降、環は個人プレーを控え周りのスタッフとも親しげになります。

 

また、4話は龍との同居がバレて写真週刊誌に撮られるも
そのスキャンダルの話題性を利用して視聴率を取るために
環はあえて弁明せずノーコメントを貫くのです。
それは、ずっと夢だったアンカーの座から降りたくない=視聴率を取りたいという
個人的な保身のためでした。


しかし、久保田さんと『なぜ今の職業に就いたのか』の話になり、
久保田さんが「ペリーメイスンを見てかっこいいと思ったから」と答え、
環も「アンカーがかっこよかったからよ」と答えます。


このシーン。良かったよなあ。
子供のころ、Eveningnewsのアンカーがベトナム戦争のニュースを報じているのを見て
カッコイイと思って、そこからアンカーに憧れていたのに、
今アンカーの座に縋ろうとしている環は、果たしてあの頃の自分が夢見ていた
「かっこいいアンカー」になれているのか?と彼女は自問自答したことでしょう。

そして彼女は、会見で自分の保身のため、視聴率のためだと弁明し謝罪したのです。
正しいことをしたい、というより、『かっこいいアンカー』になりたかったんだと思います。

 

6話は、リストラされた銀行員の立てこもりの回で
環と秋吉さんは立てこもり犯のいる銀行に取材に向かうのだけど、
紺野Pが独断で銀行頭取の生インタビューを流して犯人を逆上させちゃうの!
もちろん二人には内緒で。
当たり前のように犯人は激怒し、銀行内は危険な状態に。
環たちが必死に説得して落ち着かせた後に機動隊が突入し事なきを得るんだけど
紺野Pは何の反省もせずに報道特別番組が『視聴率』取れたことを喜ぶわけ。
環と秋吉さんは当然激怒するんだけど、報道特別番組の最高視聴率は
銀行頭取が生出演し、立てこもり犯を罵倒したシーン。
視聴率ってなに?報道ってなに?と考えさせられる回でした(基本ふざけてたけど)

 

7話は、「報道番組のバラエティ化」がテーマで、
紺野Pは視聴率を取るためにバラエティ畑の片山ディレクター(阿部ちゃん)を連れてきて
遠回しに秋吉を干しにかかる胸糞回なんだけど、
数字が取れない=環がアンカーを首になるということで
環も言いなりにならざるを得ないのよね。

でも、もとはと言えば、秋吉と組んだ報道特集がきっかけで
Eveningnewsのアンカーになれるチャンスが転がってきたわけで、
自分の保身のために、数字のために古くからの友人を見捨てていいのか?
最低の人間じゃないか?と環は悩むのよ。

ある意味4話の展開の延長線上みたいな回なんだけど、
4話と違うことは、環は自分がひどいことをやってると自覚して、
罪悪感に苛まれているってことで、環の人間としての変化がここで分かるわけ
秋吉を見捨てることが正しいのか?
このまま数字のために報道番組がバラエティ化していくのを黙ってみているのか?
それが自分の求めたアンカーの姿なのか?ってね。

結局、秋吉くんとじゃなきゃアンカーはできません!と宣言し
環目当てで報道部に異動してきたであろう片山が引くことでなんとかなったのです。
(ここは都合いいな!ドラマか!)

 

8話は、主に環と龍の関係が一歩進むというか深まる回ではあったけど、
その一方で龍の叔母・北原(黒田福美さん)がなぜテレビ嫌いになったのかの理由が悲しかった。
民族衣装学者だった彼女は、良かれと思ってテレビ番組である民族の衣装を紹介した。
しかしそれがきっかけで民族は堕落し、美しい衣装は金を稼ぐものとして消費され
結果としてその民族衣装は滅んでしまった。

(直接関係がないのに)環が、北原さんをゲストコーナーに呼んだとき
そのことに触れて報道サイド代表者として謝罪した姿は、
彼女が真の報道ジャーナリストとしての精神を持っていることを証明していました。

 

9話は環のジャーナリストとしてのある意味の集大成というか、
Eveningnewsのアンカーの座を捨ててまで
「報道に例外があってはならない」という彼女のモットー(誇り)を守った回で
見ていてハラハラもしたし、スカッともしたし、モヤモヤもした。
(基本コメディドラマなのに、たまにやりきれない気持ちにさせられるのよね)
Eveningnewsを放送しているチャンネル2の常務が
代議士と癒着して不正を働いていると知り、環と秋吉は報道するために動くんだけど
あらゆる圧力をかけられて、ついにはアンカーの座まで星野さんに取られることに。
それでも、お天気コーナーを無断でのっとって報道しようとするわけよ。

環、あんた真のジャーナリストだよ!

結果としてチャンネル2に反逆した形になったので、

当然Eveningnewsのアンカーは降板。


凛としているけど、龍と久保田さんの前では弱さを見せられるようになった環がまたイイ。かわいい。

あーほんとたまんね。

 

10話11話は、大手テレビ局と弱小ケーブル局の狭間で
「大きいニュース小さいニュースってなに?」
「自分がいるべき場所とは?」
「報道って何のためにある?」について環が答えを出すまでの回。

序盤は不満タラタラでにこにこケーブルテレビジョンの仕事をこなしていくんだけど
数字至上主義の大手テレビ局とは異なり、地元密着の局なので
自分が報道に携わることで人々の心が動くさまを目の前で見せられるのよね。

 

どちらが良い悪いじゃない、だけど後者のような仕事をしたことがない環には新鮮で
改めて報道って何だろうと考えたと思う。

また、大手テレビ局がにこにこケーブルテレビジョンを見下して
まるで相手にしないところも環の負けず嫌い精神に火をつけたというか。

 

そして、小さなニュースだと思って見過ごしてきたことが大事件になり、
環たちが生放送で報道したことで、市役所や市長まで動かした。

この経験が、報道大賞を獲って、Eveningnewsのアンカーに
返り咲くことが内定していた環にある決意を芽生えさせました。
(きっとその直前に、後任の星野さんは数字が取れないから降りてもらう、と紺野さんから言われたことも影響しているよね)

受賞スピーチがまたかっこよかったよな。
龍や久保田さんと出会って成長した、麻生環の集大成、
そしてこのドラマの言いたかったことのすべてって感じだった。

 

私が8歳のころのことです。母が夕食の支度をしているそばで、
私はテレビのスイッチを入れました。
毎週楽しみにしていた、テレビアニメを見るためだったと思います。
そのとき、私の目に、一人の女性キャスターの姿が飛び込んできました。
ベトナム戦争終結のニュースを報じる彼女の姿に、
私の目は釘付けになりました。
そして、そのときから、彼女が私の目標となったのです。

チャンネル2のEveningnewsのアンカーとなったことで、
私のその夢は、現実のものとなりました。
しかしその瞬間から、私には、何かが見えなくなっていたのかもしれません。
多分その瞬間から、私は忘れてしまっていたのです。
『なぜ、ニュースキャスターになりたいと思ったのか』を。

 

先日、私が就職した小さなケーブルテレビのある町で
ちょっとした事件が起きました。
私が見過ごしたことから起きた事件でしたが、
それを報じる私たちの放送が、町の人々を動かし、やがては大きな力となって
一つの事件を解決に導きました。

このことが、私に、忘れていたものを思い出させるきっかけとなりました。

 

大きなネットワークでは、視聴率が最優先されます。
それは、やむを得ないことではあります。

が、それでははかれないものも同じくあるということを、
私に教えてくれた人たち。

 

私を、心から必要としてくれる人たちがいる場所へ、
私は、戻ろうと思います。

チャンネル2ではなく、にこにこケーブルテレビジョンへ。

 

この選択を笑う人がいるかもしれません。
でも、私の家族だけは、私の選んだ道を、認めてくれるでしょう。

 

私をここまで育ててくれたチャンネル2と、
そしてかつての上司、同僚たちにはただただ感謝のみです。
ありがとうございました、そして、ごめんなさい。

 

8歳のころなりたかったニュースキャスターに、
これからの私がなれるのかどうか、それは分かりません。

でも、その一歩を今ここから、踏み出したいと思います。
ありがとうございました。


綺麗事かもしれない。
環が言ったように、この選択を愚かだと笑う人もいるかもしれない。

でも、環にとって、子供のころ憧れたニュースキャスターってのはどういうものか、
何に憧れたのか。その答えがやっと分かった。

これからが、環が夢を叶える第一歩なんだよなあ。

そう思うと、なんか見ててぐっと来た。
脚本的にも、ちゃんと一本芯が通ってると思うのよね。

 

環の子供のころからの夢の話は、それこそ初回から描写されていたし、
Eveningnewsのアンカーになることでそれが叶った!と喜ぶ彼女の姿も、
現実と理想の違いに戸惑いながらも迎合したり、保身に走ったりする彼女の姿も
報道とはなにか?を考えて、ひたむきに行動する彼女の姿も描いてきたから
この受賞スピーチのシーンも映えるというか、
見ているおれに刺さったんだよな。

不正してた常務と代議士の件スルーかよ!とは思った


まあ、あんな数字至上主義で、環をポイっと捨てた
Eveningnewsのところに戻ってほしくなかったというのもあるね。
報道特集とか独自取材は、にこにこケーブルテレビジョンでもできる、
報道大賞を獲ったことでそれが証明されましたし。


基本コメディだけど、ちゃんと伝えたいテーマというか、
メッセージがブレていなかったのも良かった。
それでいて、押しつけがましくもなく自然なのよね!
良い話だろ?チラッって感じがまるでない!
そういうのも私の心に刺さったんだろうなあ。

 

いやあ、本当に良いドラマでしたよ、

予想外に(笑)

このドラマがDVD化どころかビデオにすらなってない、

配信すらされてないってどういうことなの?

何がだめなの?わからね。

即刻多くの人に見てもらいたい作品ですね。

まじで。

 

何なら円盤化した暁には、

環×龍×久保田さんで

オーディオコメンタリーしてほしい!

対談でもいい!!

これはガチ切実な願いなんす!

おながいします!!