今週はとなりのトトロ✕おしん✕エロゲでしたね。(なんだよその感想)
あぐりワールド、とにかく
なんでもありだなあと思いながら見ていました(笑)
まずおしん要素。
とめさんの姉・あさ子さんは
夫が戦地に行っていて、実家で
脳溢血に倒れた母親を世話しながら
ぶどう畑の作業も手伝っているとか。
た、大変や…。そりゃ不倫もするわ
そんななか、東京から
身内でもない家族が疎開してきたら
いい気持ちはしないだろうなと思います。
しかも、まるっといいとこ育ちの
あぐり家族なのでね。
しかし、あさ子さん初めて出てきたとき、
『おしん』のおとらかと思ったよ!
似てね?フォルムの問題か?
あさ子さん役の大島蓉子さんは、
ワタシ的には何といっても
『トリック』の大家ハルさん役なんだけど
(あれもそこそこ意地悪なんだけど)
流石に演技の幅が広いですね。
現在も『おかえりモネ』に出演されていて、
朝ドラは9作目?らしい。すごい。
そんなこんなで、あさ子さんに毛嫌いされ
食べ物とか家とか色々と前途多難だったのですが、そこに救世主が!
とめさんの幼馴染、冨士夫ちゃんです。
こ、コニタン!コニタンじゃないか!
無骨で寡黙ながら、あぐりにあてがわれたボロ家を住めるようにしてくれたり、
あぐりが耕し始めた畑の手伝いしてくれたり、
食料を分けてくれたり、
とんでもなく良い人です。
どうやらとめさんが好きらしく、
とめさんが喜ぶからあぐりの助けになってくれるみたい。
ここらへんねー、別に回想シーンとかあるわけじゃないのに、
とめさんと冨士夫ちゃんのやり取りや
冨士夫ちゃんの表情で、
あー二人とも気のおけない仲なんだなあとか、
冨士夫ちゃんはとめさんが喜ぶ姿を見ることが幸せで、好意を伝えて関係が壊れるのが嫌なんだろうなとか、
そういう背景をふーみんとコニタン(小西博之さん)の演技だけで感じ取れるんだよね!
演出か?演出が素晴らしいのか?
今週は、この二人の関係が見ていて心地よかった。
スピンオフ見たいくらい。
そりゃ、戦争が終わってとめさんから
「東京に帰ってまた美容院をやりましょう!」と言われても、
冨士夫ちゃんの諦念と寂しそうな姿を見たら、
終戦後も山梨に残るって言うよなあ、あぐりも…。
あぐり、根っからのおっとり天然変人だけど、
他人の気持ちを慮り、優しい。
だから皆から愛されるんやねぇ…。(納得)
あぐりの農作業姿が、
別に着飾ってもないのに美しすぎて、
これが…これが本当の美人か…と思いました。
(『澪つくし』の沢口靖子さんも泥だらけで空襲後の作業してる姿が美しすぎて見惚れたわね)
そしてとなりのトトロ要素。
和子と理恵が疎開先の山梨でたくましくなっていく様子が描かれました。
父親が早くに死んだとはいえ、
生まれたときからお金持ちのお嬢様だから、
和子と理恵は山梨では浮いた存在になって、
いじめられるのも必然。
しかし、先週から
たくましくなり始めていた和子はやりますぜ。妹を守るためにやりますぜ。
お気に入りのビー玉を
山梨のガキ大将たちに盗られたとあらば、
冨士夫ちゃんの息子・太郎に習い、
ビー玉対決で勝利、ガキ大将たちから全取りして帰ってきます。つ、つよい。
理恵ちゃんもまた、お姉ちゃんが
泥をぶつけられたとあらば水鉄砲で対抗。(自作、自作なの!?)
つ、つよい…。
太郎ちゃんと和子と理恵が
となりのトトロのカンタとサツキとメイっぽくて、
もっとこの子供たちの交流シーン見たいなぁと思いましたね。
太郎ちゃん、良い子だわぁ。
そして、エロゲー要素。
淳……淳之介……。
あんなに素直でかわいかった淳之介が……。
つーか、諒子ちゃんも未亡人の美和子さんも、
なんであそこまで淳に執着するの!?
なんか、なんかフェロモンの匂いがするの!?
諒子ちゃんは分かるんだけどさ、
未亡人さんの間の詰め方こえーーよ!!!
戦争末期、旦那も戦死した、
そこらへんの破滅的欲望が旦那に似てる淳に向けられたってことなのかねえ…。
おーこわ。
床嶋さんが異常に美しくてエロくて、
そりゃ淳之介も陥落するわって納得はしたんですけど。
エロゲー(官能小説?)要素部分は、
脚本家の人、清水有生さん?
ものすっごく頑張って生々しい欲望を書いてるなって思いましたね。
ジェームス三木大先生なら、
ノリノリで書いたんでしょうけど(笑)
これまでの『あぐり』はさ、
変人たちの狂想曲だけど、明るくてメルヘンで、おとぎ話のような世界観だったじゃないすか。
どんなにプラックで衝撃的な展開があっても。
そこに官能小説ぶち込んでるから、
脚本家の人大変だっただろうなと思います。
まあ、淳之介を詩的なエロに目覚めさせないと、将来芥川賞作家になれないのでね…作風的に…。
モデルとなった吉行淳之介氏、
女性関係マジですごかったらしいのでね…。
しかし、脚本家、
不得手要素を頑張ったな(まだ言ってる)
そして今週は、お義母さまと御大の
絆の再生の兆しが見えたのが何より良かった!
片桐さんを亡くして、山梨でも
すっかり気落ちしたお義母さま。
そこに御大が颯爽と登場。
亡くなる直前に片桐さんから送られたレコードと手紙を渡して、妻を慰めるわけです。
優しい…神…神がおる……。
お義母さまと片桐さんの関係って
プラトニックとはいえ、
御大にとってはなかなか複雑だと思うのですが、それをすべて許し、片桐さんとも交流を続けるとか、やばくね?
御大の器のデカさは太平洋より広くて深い…ウウッ
おちゃめさと頑固さもあわせ持つ御大を
これだけ深く魅力的なキャラに昇華できたのも、里見浩太朗さんの演技力の賜物だよねえ。
「わしじゃお前の生きる支えになれんのか?光代…一緒に生きよう…」
と言ったとこ、感動したわ。
御大みたいな人、ください。
どっか落ちてないかな、ください!!
『もののけ姫』のアシタカも思い出したけど
そんな御大のあたたかい優しさと、
片桐さんとの思い出を振り返って、
抜け殻のようだったお義母さまがだんだんと生気を取り戻していく姿が良かった!!
ここでも星由里子さんの演技が出色。
星由里子さんは全編に渡って
安定した演技してるんだけど、
このシーンは特にすごいなと思いながら、
おれっち、ウルウル目で見ていました。
なんつーか、星由里子さんと里見浩太朗さんが
どーんといるから、良いんだよね『あぐり』は!
前も言ったと思うけど、
ベテランや大御所がイキイキと演じているからこそ、
田中美里さんや山田純大さんのような新人や
ふーみんや山本晋也監督のような異種出身者も
フレッシュさが際立ったり変化球が決まる。
『あぐり』はそういった意味じゃ、
奇跡のドラマだと言えるでしょう。
ツッコミどころも多いけど(笑)
戦争が終わり、暗く厳しい時代も終わった。
あぐりは、エイスケさんが急死し、
心開く東京の仲間たちも散り散りになり、
美容院や住む家を失いました。
暗く厳しい時代ってのは、何も戦争そのもののことだけじゃないんだよね。
かつてエイスケさんが見つめていた、そして多くの人が苦しんだ暗闇の時代。
それでも前向きで明るく、
優しさや思いやりを失わないあぐりは
素晴らしいと感じます!
ついに、淳之介や尚ちゃんや南くん、
そして安吉くんが夢見た『俺たちの時代』がやってくるんですね。
次回予告担当はお義母さま!
予告を見ると小汚くなった森さん、
やつれている世津子さん、
チェリー先生、山神先生、南くんと
ほぼオールスター状態。
森さん帰ってきたんか、と
残念そうなお義母さまに笑えるけど、
予告を見ると、なにやらお義母さまの様子がおかしい。
御大にドナドナされたり、
あぐりを抱きしめたり…。
うーむ。
来週はどうなるのかな…。