The King with Donkey Ears

ドラマ視聴素人の感想置き場。自分のために書いてます。

『誰よりもママを愛す』でのピンコというキャラについて語ってみる

今、巷の一部では『恋する母たち』における
阿部サダヲさんの演技が
ひそかに話題になっているらしい。
というか、少なくとも私の中では
ひそかに話題になっているのです。
かっこいいよね丸太郎さん。

思えば、今まで阿部サダヲさんのことを
かわいい、もしくは面白いと思ってはいても
かっこいいと思った経験はなくて、
『恋する母たち』の丸太郎さんが初めてでした。


当時『弁護士のくず』に夢中で、
裏番組の『医龍』を履修していない私にとっては、

阿部サダヲさんといえば
池袋ウエストゲートパーク』や
木更津キャッツアイ』や
タイガー&ドラゴン』や
『アンフェア』みたいな
ちょっと小物だけど憎めないキャラのイメージで、
かっこいいカテゴリではなかったんですよね。

結構見てるな。
意識して彼目当てに見てるわけでは
なかったんだけど。


マルモのおきて』も見てたけど、
面白い演技する人だなあとか、
笑顔がかわいらしいよな、
とかのイメージでした。



そして、私のなかで一番
「どんだけかわいいねん」
と今でも印象に残っているのが、何を隠そう、
誰よりもママを愛す』(2006年)での
オカマちゃん・ピンコなんだな。


f:id:panpars:20201209224544j:plain




このドラマだけは、彼の演技、
というかピンコさん目当てに見たと言っても
過言ではありません。マジで。

それぐらい強烈なキャラクターでした。
好きでしたよ。



誰よりもママを愛す』って作品は、
遊川和彦氏脚本(まだこじらせる前)で、
田村正和さん主演のホームドラマです。

ja.m.wikipedia.org



まあ、作品全体としては
何てこたねえ凡作なんですが
(ランちゃん演じるママがヒステリックなの辛かった〜)

阿部サダヲさん演じるピンコというキャラクターと、
そんな彼(彼女?)を受け入れる嘉門家が、なんか良かったんです。



ピンコは、いわゆるステレオタイプ
描かれてるオカマちゃん。

初期のクレヨンしんちゃん映画に
出てきていたようなキャラクターといえば、
分かりやすいかな。

だから、今だと結構批判を
受ける可能性ありかも?


でもね、本当に可愛かったんですよ。

明(玉山鉄二さん)の優しさに惚れてから
とにかくへこたれず明にアタックしてきて、
かと思えば、どこか哀しさと切なさを
内包した笑顔を見せてきたり
(単なるエキセントリックキャラに終始しないところが演技派だよね!)

あれは明じゃなくても
ほだされるんじゃないかな。
本当に可愛かったんですよ(念押し)



ほだされたのは明ちゃんだけでなく、
制作サイドもでしょう。

多分、当初はただの賑やかしキャラで、
クローズアップされるような予定ではなかったと思うんです。

でも、あまりのピンコさんの可愛らしさに、
視聴者からの評判が良くて出番が増えて、
なんとメイン回まで出来ちゃったみたいな。
遊川氏ノリにノッちゃったみたいな。
私ゃそう予想しています。


特筆すべきはそのメイン回・8話。

ピンコさんの母親が倒れた。
でも心臓の持病を持つ母親に
オカマの自分の姿を見せたら
ショックを受けるから来てはいけない
と家族から禁じられてて会えない。

この回でのピンコさんが
とにかく可愛くて健気で切なくてね。

きっと子どものころから今まで、
友達にも周りにも変な目で見られてきて、
さんざん傷ついて来たが末の精一杯の明るい笑顔ってやつですよ。
こうやって自分の心を防御してきたんだろうな。

それを滲ませてるピンコさんに、
見ている側としては、
非常に庇護欲をくすぐられました。


多分明も同じ。

だからこそピンコさんが
母親に会うのを後押ししたんでしょう。
(ピンコさんの兄や妹に怒るシーンはところどころ「ん?」な台詞があったけども)


なかでも心掴まれたのは、
母親の見送りに行く前に
明にこう告げるシーンですね。



明ちゃんの家の、家族になりたかったの。
こんな素敵な家族とずっと一緒にいられたら、どんなに幸せだろうって、夢見ちゃった。
バカよね、そんなの無理に決まってるのにね。
…じゃあね。

f:id:panpars:20210111092514g:plain




このシーンでの阿部サダヲさんの演技は
本当に本当に素晴らしい。
もうね、オレ号泣。ポロポロ泣いちゃったもん。
何回見てもウルッとするもんな。


嘉門家は、パパもママもお姉ちゃん(内田有紀さん)も薫(長島弘宜)も、
ピンコさんがオカマちゃんモードで
押しかけてきても、決して気味悪がったり邪険にしたりしなかったんですよね。
これはドラマ序盤から徹底してた。

明のことが好きだとバレバレでも、
変なものとして見なかった。
本当に優しく接してたんですよね。

だからこそ、ピンコさんのこの言葉が
生きるんです。

表情がさぁ、また良いんだよな。
笑顔が切ないんだよ。
なんとか奮い立たせて出している明るさに、
こちらが心をぐわんぐわんと揺さぶられました。


玉鉄さんの瞳の演技もすごく良かった。
ピンコさんの孤独と心の傷を完全に理解して、
共感、というんじゃないけど、その痛みに寄り添っているような表情だったな。


見ててうおおおおおい明!!!ピンコさんにこれからも寄り添ってやれよーーー!!!こんな哀しそうにしてんのにーーーーーっ!!!本当は傷つきやすい子なんだよーーーっ!
と思いましたよワタクシ。
今回見返してもその気持ちは変わりません。


もうそれ以降は、ぶっちゃけママの病気エピソードとかにはあまり集中せず(笑)
ピンコさんどうなるんだ…幸せになって…
と祈りながら見てました。

だから、明が岡山に帰って桃農家を継ぐことを決めたピンコさんに空港で

「僕も岡山に行きます!ピンコさんのこと愛してます!」と告白したシーンは


マジでーーーーーーーーーーーーーーーっヨッシャアアアアアアアアアアアアアア!!!ゲホッゲホッ
と心の中で全力ガッツポーズ&絶叫。


良かったなーーーーウオオオオオオオオオ!
と祝杯ですよ。
見事なハッピーエンドでしたよね。






…え?唐突?

こまけえこたあいいんだよ!
このころの遊川は視聴者からの要望に
ちゃんと応えてたんだよ!
出てくるキャラをちゃんと幸せにしようとしてたんだよ!
発症してなかったんだよ!
今はどうしたんだよ!こじらせやがって!






……話が脱線しました。


とにかく、可愛いの権化でしか無かったピンコさん。
ピン子さん目当てだけでも
見る価値があると私は思います。


本当に本当に可愛かったんですよ。
何回も言うけれども。

f:id:panpars:20201209220903g:plain

はー。本当に魅力的なキャラクターだったよなー。
母親からの電話に出るときの声色の変え方とか、
妙に喧嘩が強いところとか、
寝起きのおっさんでしかない姿とか、
漫画みたいなキャラだったな。好き。




最近は『彼女がその名を知らない鳥たち』とか
(献身的で包容力のある愛情持ってる役やらしたら日本一やな!オレ泣いちゃったよ)
www.youtube.com


吉岡里帆ちゃんと歌った「体の芯からまだ燃えているんだ」での姿
(こんなに歌上手いなら早く言ってよ!吉岡里帆ちゃんもこっちの雰囲気の方がいいな!)
とかを見て、
www.youtube.com
www.youtube.com




あっ、確かにかっこいいな…


と認識を改めました。

とりあえず『恋する母たち』は
最終回まで見ようと思います。

こっちもハッピーエンドだといいんですが…。







忘れてた。
誰よりもママを愛す』の主題歌、
超名曲です。良い歌なんだよー!
www.youtube.com